いかさまな日々-110312_0756~0001.jpg

自分のことについて書くと、
被災した時はJR川崎駅の
電車の中にいた
ホームに入った電車に乗り込んだ
まさにその瞬間、車両全体が
大きく揺さぶられる横揺れが襲ってきた
電車内、ホーム上は一瞬パニック
程なくして構内アナウンスが
駅改札外への乗客の誘導を始めた
電車内は通電されていて照明、エアコンも
動いており、なにより大型で近代的な
川崎駅の施設そのものが一番安全だと
考えたので、上記誘導を無視して
電車内に留まっていたが、1時間位経つと
パンタグラフを下ろして通電を停止する
と案内が流れたので、腰を上げて改札外へ

向かった
結局、駅前の居酒屋で一夜を明かし、
京急の始発で川崎を発って、途中徒歩の

工程を経て、帰宅したのは
地震当日の翌朝8時過ぎだった


居酒屋で通された席上にはテレビが
設置されていたので、一晩中被災状況を
報道で見ていた
川崎駅前の居酒屋は大半が通常通り
営業しており、店内に入れば
暖が取れて、暖かい物を食せる状況
わずか数時間前に、
数百キロ離れた自国内で惨事が

展開しているのに、
臨席では見知らぬ客同士が

地震ニュースを、まるで他国のことのように

酒の肴にして、明け方まで盛り上がっていた


一瞬不謹慎な印象を持ったが、実は彼らも
電車が止まって身動きが出来ない
自分と同じ帰宅困難者だったりする
きっと彼ら自身は、東北の現場で被災した
当事者の為に何もすることが出来ない
という歯がゆさは感じていたのでは
ないか

今思えば、
そういうことを客観的に考えている
自分自身が、非現実的事象の中に突然
放り込まれて、落ち着きどころが
探せないで迷っている状態だったのかも
しれない


阪神・淡路大地震の被災経験がある
web上の知り合いがこのことについて
「人間は不意に非日常を突きつけられると
無理にでも日常と結びつけようと
本能が働く気がする」とコメントを
寄せてくれたが、一理あると思う


最後に
今回被災して亡くなった方のご冥福を
お祈りし、負傷した方へのお見舞いを
申し上げたい
また、復旧に向けた努力を
されているあらゆる当事者の方々へ
応援、激励の言葉を送るとともに
冷静に自分が出来ることを考え
行動していきたいと思う