ちょっとヤフーニュースの見出しを見てて気になったので。
前記事のアマさんとのコメントのやり取りでも触れましたが、高齢者ドライバーの事故が連日報じられている昨今。ネットでもヤレ80歳以上は運転免許を強制的に取り上げろとかいろいろな意見が出ています。まあ高齢者ドライバーの抱えるリスクを考えると、これを暴論とは思えないというのが正直な気持ちです。
とはいえ、現実は非常に難しいわけです。私の経験を言えば、昨年他界した父がその1年くらい前に軽い自損事故を起こし、同じ時期に少し脳梗塞の疑いがあると診断されました。ちょうどそのころ横浜で高齢者が大きな死亡事故を起こしたのが話題になったこともあり、人を巻き込む事故を起こした後では遅いと思って車の運転をやめさせました。本人は運転に問題があるなんぞカケラも思っていなかったと思います。
今まで年寄り夫婦だけで自由に医者や買い物に行っていたのが、ある日突然どこにも行けなくなったストレスは本人にとってかなりのものだったと思います。でも我々若夫婦(還暦でも若夫婦?)にとってもきつくなりました。特に週末は待ち構えており、やれあの病院この病院、それに買い物と送迎運転手で休日はかなりの時間がつぶれました。
タクシーやバスの優待をしている自治体もありますが、この理屈はある程度以上の街でなければ通用しません。例えば我が家のある地域。幸いに個人医院は半径1-2キロ以内に歯科医院も含めて3軒ありますが、買い物でいえば最寄りのコンビニやスーパーのあるエリアまで約10キロ。一応JRの駅もあるのですが、肝心の汽車(電車ではありません)は通学時間以外は2-3時間に1本の上、駅まで歩くのも年寄りにはきつい。そしてタクシーは…そんなもんありません。使いたきゃ10キロ向こうのコンビニエリアから呼ぶしかありません。ついでにいえばバスもありません。従い優遇措置なんぞあったとしても事実上使いようがないのです。
これでも本格的なド田舎の中では比較的恵まれているわけです。ウチラでも、もう少し「奥地」に行くと事情は何倍も悲惨です。こんなところで暮らすためにはクルマは不可欠です。80歳になろうが90歳になろうが運転できる限りは絶対に欠かせない道具なんです。残念ながら公共交通が充実している世界からは想像もできない異次元の世界がここにはあります。なんでそんなところで暮らすのか?という話は意味がないので控えます。
とはいえ事故を起こしてからでは遅いというのは間違いないことだし、あってはいけないわけです。ではどうするか?残念ながらきれいに解決する妙案はなかなかありません。身体的に問題がないと判断されていれば何歳だろうが強制的に免許を取り上げるわけにもいきませんが、一定以上の高齢者には最新の自動ブレーキを装備した車の購入を促進するとか、事故を予防できる対策を考えるのが現実的なのかな、と思っています。自分自身がスバルとダイハツの自動ブレーキ付きを運転していて一定の効果があることは経験済みです。これだと先日の池袋の事故も多分防げています。神戸のバス事故でも、今は大型車にも普及が進んでいますので最新型だったらたぶん…。
費用の問題もありますが、補助といっても数万円ですがすでに行っている自治体もありますし、あまり社会的に不公平にならないようないいやり方を考えていく必要があると思います。100万の軽でも新車となると年金暮らしの老人にはとんでもなく大きな負担だし、誰でもは買えません。でも例えば自治体で有償貸与するとか何か方法はないものでしょうかね?どの道が片足を棺桶に突っ込んでいる人たちばかりなわけで、運転できなくなるまでそう長い年月はかからないので、ローテーションは比較的早いと思います。
かくいう私も高齢者ドライバーの問題は決して他人ごとではありません。夫婦して還暦を過ぎ、後はどっちが先に動けなくなるかというのが20年以内には現実となります。そのころには本当の自動運転の車が普及していることを祈っています。