今日は午後遅くから1冊の小説を読み始めて、2-3時間前に読み終えました。これが9巻目で、年1回発行のを読み続けて足掛け9年、読み終えるまでこの巻で完結とは知りませんでした。今まで結構ズルズルと引きずったのでまさか今回で、とも思わずに読み始めたのですが・・・。
いざ完結してしまうと、さすがに8年読み続けてきただけにちょっと喪失感を覚えてしまいます。正直1年に1回発行だと、以前のストーリーを忘れてるんですよね。時には前巻を一緒に借りてきて先に読んだりしてましたが、今回は一発で。
小説のタイトルは以前にも書いたと思いますが、宮城谷昌光さんの「湖底の城」といいます。どこかに連載をしている関係で、1年分貯まったら1冊、という具合で結局足掛け9年ということです。まあ、8年も9年もとなるとネタバレもクソもないので書きますが、内容は古代中国の呉と越の歴史を舞台にしてまして、あの有名な「臥薪嘗胆」という言葉が生まれた時期の事を書いてあります。
臥薪嘗胆は呉と越のそれぞれの王のエピソードですが、主役はその王たちを補佐した人物になっています。まず呉の王2代に仕えた「伍子胥」から始まり、途中から越王に仕えた「范蠡(はんれい)」に移っていきました。
最初に読み始めた時に伍子胥が主役ということにものすごく違和感を感じたわけです。というのも伍子胥に伝わるイメージというのは「死者に鞭打つ」という言葉の代名詞で、感情が激しい印象から宮城谷作品では異質に思えたからです。それが数巻前から徐々に范蠡に主役が移り、気がつけば伍子胥の名前もほとんど出なくなっていました。
范蠡のイメージだと宮城谷作品になじむというか、あまり違和感がないのですが、あまりに作品のスパンが長くなりすぎてこんな展開になったのかな?などと思っていました。でも読み終えて、そのまま著者の後書きを読んで謎が解けました。どうも最初から范蠡を書きたかったがために、伍子胥から書き始めることになったということらしいです。これで何かちょっと胸のつかえがとれました。
それにしても最近は読み物はほぼネットになってしまい、印刷された活字を読むことが本当に無くなってしまいました。あまりいい傾向ではないですね。これからはたまには本を読むように心がけたいと思います。でも目が薄くなったうえに老眼が進んでいるのでハズキルーペを買ってくる方が先ですかね…。