急ぎ足にパフェ、買い物と

ライトなカテゴリーのブログを

連続してアップしましたが

今月はあまりニーズのない

真面目な長文映画ブログ多め月間ですw






そして今回は私にはめずらしい

2019年と新しめの映画です。






ここ10年映画を見なかった間に

出てきた新しい俳優を知らないので

主演がレネー・ゼルウィガーと聞いて

ちょっと安心したこの作品w







でもジュディ・ガーランドの

伝記なので

レネー・ゼルウィガーは

声質が全然違うし

どうかなと思ったんですが

本編を見てまずびっくりしたのが

レネー・ゼルウィガー老けた!😳






いまだに「シカゴ」あたりの

イメージのままだったから

けっこうびっくりしたんですけど

ジュディの低迷した晩年を

映画化したものだったので

レニーの老いが目立つ

外見(特殊メイク?)は

晩年のジュディの苦労、苦悩を現すのに

ぴったりでした。






あと驚いたのがレネーの歌唱力!






ジュディとは声がかなり違うし

吹き替えにするのかなと思ったんですが

全て本人が歌ってるそうで

プロの歌手顔負けの迫力ある歌唱力を

見せてくれました。






で、本編ですが

ハリウッド黄金期の大スター

ジュディ・ガーランドの物語です。






幼くして映画スタジオと契約し

「オズの魔法使」の主役ドロシーに

抜擢されたジュディ・ガーランド。






が、当時はスタジオが

すごい力を持っていたので

駆け出しの子役のジュディには

人権なんてあってないようなものでした。






連続18時間働かされ

太るからと食事もスープだけに制限され

少しでも反抗すれば

父親はゲイで母親はステージママだと

嫌味を言われ従わされる…






普通の少女でなく

類い稀な歌唱力を武器にハリウッドに

入ることを決意したジュディでしたが

子供の頃から不眠に悩まされ

痩せ薬と称した

覚醒剤を飲まされていました。






たしかに「オズの魔法使」出演当時の

ジュディはふっくらしていますが

この「痩せ薬」がのちの彼女の人生を

破壊していくことになります。






彼女は「オズの魔法使」の大ヒットで

スターとなり

そのあとヒット作を連発しますが

次第に精神不安定になり

仕事をすっぽかしたりするように

なっていきます。






子供の頃からの特殊な環境と

何より覚醒剤の常用が原因だと思いますが

鬱になり精神病院に入院したり

仕事もあまりに遅刻が多くて

撮影を遅らせるので

クビになってしまったり。





自殺未遂も繰り返し

彼女は生涯で5回結婚しましたが

全てうまくいきませんでした。





そして死の半年前は

借金まで作って定住する家もなく

2人の小さな子供を連れて

不安定な生活をしていました。






ジュディは子供たちを愛していて

子供たちと暮らす家を買うために

ロンドンでのステージの仕事を受け

子供たちを別れた夫に預けます。






ロンドンに行っても

ジュディは常に薬を手放せず

相変わらずお酒にも頼っていましたが

ずっと自分のファンだったという

男2人組と偶然出会い

彼らがゲイであっても理解を示したりと

弱い立場の人間に対する

優しさがありました。







そして過去の栄光にしがみつかず

しっかり自分の現在の立ち位置を

理解しているようでした。





薬やアルコールなどの

不安要素を抱えながらも

ジュディはロンドンでのショーを

こなしていきます。






ときに遅刻して

罵声を浴びせた客に言い返したり

酔っ払ってステージに

倒れ込んでしまうこともあり

結局クビになるんですが

彼女の精神は限界でした。






ちなみにクビになる前に

アメリカで知り合って

ロンドンまで追いかけてきた

若者のミッキーと

ジュディは結婚します。






しばらくはミッキーのおかげで

彼女の精神は安定していましたが

結局ミッキーも口がうまいだけの

他の男と同じとわかり破局。






仕事をなくし

愛する子供たちには自分とではなく

元夫の家に住んで安定した生活を

送りたいと言われる。






最後にクビになったステージで

一曲だけでいいから歌わせてほしいと頼み

ステージに立った彼女は

今までにない最高のパフォーマンスを見せ

スタンディングオベーションを受けます。






そして「虹の彼方へ」を

途中で歌えなくなったとき

客席にいたファンたちが立って

彼女の代わりに歌い出すという

ロンドンのファンたちの

温かさを経験しました。






この部分は

真実かどうかわかりません。





ただ、苦しい生き方をしてきた彼女への

最後のプレゼントだったらなと

思わずにはいられませんでした。






その半年後にジュディはロンドンで

睡眠薬の過剰摂取により

47歳の若さで亡くなります。






娘のライザ・ミネリは

ハリウッドが母を殺したと

言ったそうですが

まさにその通りかもしれません。






私は映画を見る前からジュディが

薬やアルコールを常用し

40代で亡くなったのは知ってたんですが

映画がどこまで真実かは

わからないものの

「オズの魔法使」でのかわいらしい

ジュディが実際は

薬を飲まされてスタジオに

完全に管理されていたというのは知らず

びっくりしました。





苦しみながら生きてきた

彼女の人生を迫真の演技で演じ

歌も吹き替えなしで

その歌唱力を見せたレネーの

アカデミー賞主演女優賞も納得です。





しかしあまりに特殊な状況で育った

ジュディにとって

スターになりお金持ちになることと

平凡でも普通の子供らしい

生き方をすること

どちらが正解だったかはわかりません。





が、親の愛情をまともに受けた

経験がなかったり

親しい友人と遊ぶこともなかった子供は

大人になっても

問題を抱えることが多いです。





彼女の場合は

周囲が高圧的な大人ばかりで

薬をずっと飲んでいたことが大きいですが

人生って一発勝負で

一度間違えたらやり直せませんよね。





これから先の

未来の生き方は変えられても

失敗した瞬間に戻って

同じところからやり直すことはできない。





過去の自分の選択が

人生を大きく変えてしまう

ことはあります。





彼女は幼くして

人生の大きな選択をすることになり

名声と引き換えに失ったものも

たくさんありました。






たとえ選択を間違えたとしても

人生を巻き戻すことはできないし

もがき苦しみながらも

生きるしかない。





何度も自殺未遂を起こして

薬とアルコールに頼るジュディは

痛々しいですが

人生って実際こういうものなんですよね。





ずっと光に当たった人生を

生きる人なんてごくわずかで

この世にはスポットライトなんて

全く無縁の人生を全うする人が

大半です。 






そしてスポットライトの裏には

深い闇も存在します。






自分が幸福かどうかが一番大事ですが

人生って本当に

何が正解かわからないと

改めて思いました。






そしてふと

ジュディ・ガーランドの

伝記映画があるなら

ヴィヴィアン・リーの伝記映画が

あってもいいんじゃないかと

急に思ったんですが

今ヴィヴィアン・リーや

ローレンス・オリビエを演じられる

美形俳優はいないかもしれませんね。






最近はサッチャーやダイアナ妃など

伝記映画が多いようですが

これは痛々しくも哀愁を感じる

晩年のスターの姿を描き出した

魂のこもった作品でした。





個人的に好きではないですが

いい作品だと思います😊