ブログ記事がまた溜まってきてるので

昨日に続いての連投です🥺






旧約聖書の創世記シリーズですが

今回はかなり遡ります。






超有名なカインとアベルの物語ですが

創世記の初期の初期ですね💡






ちなみに今タイムリーに

イスラエルの話題で持ちきりですが

特に意識したわけではなく

たまたま創世記気分で

絵を見てたらなんかタイミングが

合ってしまいました😅





で、カインとアベルは

神に禁じられた知恵の実を食べた

アダムとエヴァが楽園を追放されたあと

授かった兄弟です。






兄のカインは父の仕事を継いで

土地を耕し農作物を作り

弟のアベルは羊飼いになります。






あるとき2人は

それぞれ神に供物をしますが

神はカインの農作物には見向きもせず

アベルの羊だけを受け取ります。






供物を受け取ってもらえなかったカインは

嫉妬と怒りでアベルを殺してしまい

神に「アベルの血が流れたこの地には

もう作物はできない」と言われて

エデンの東へ追いやられることに

なるんですが…






基本的にこの物語って

一般的な認知としては

弟殺しのカインが極悪の悪者という

イメージがあると思うんですが

カインだって一生懸命働いて

農作物を作ったのに

神がアベルだけえこひいきしたら

かわいそうですよね。






それに生きた羊と農作物じゃ

ちょっとカインに

ハンデがあるような気もするし

そもそも羊を飼うより

畑を耕して作物を作る方が

重労働なような…






で、今回の絵ですが

ウィリアム・アドルフ・ブグローの

「アベルの死に対する嘆き」(1888)






カインはすでに去ったあとで
この絵には描かれていないんですが
私はカインとアベル関係の絵では
これが1番ぐっときます。





ブグローの写実的なタッチが好き
というのもありますが
死んだアベルを抱きかかえて
悲しみに暮れるアダムとエヴァ。





特にエヴァは神に追放されたときに
産みの苦しみを与えられたのに
息子2人を一度に失ったわけで
嘆きの気持ちが
痛々しいほど伝わりますよね。





ちなみに子供を亡くした
アダムとエヴァにはそのあと
セトという息子が生まれ
それが正当なルーツとして
後のアブラハムの血筋に繋がります。





で、カインはどうなったかというと
エデンの東に追いやられ
放浪するわけですが
神もさすがにかわいそうなことをした
と思ったのか
カインを誰にも殺させないように
体に印をつけ
カインは妻子を持って
子孫は繁栄したそうです。




それにしても
エデンの東でカインが出会った
妻になる女は
神が後から作ってカインに
与えたのか…





この物語、もちろん弟を殺すカインが
悪いのは間違いないんですが
神がえこひいきしなかったら
そんなことになってなかったし
どんなに努力しても
親に自分だけ
愛されなかった子供みたいで
なんかカインかわいそうだなって
思ってしまうんですよね…





私はこの物語はカインの
愛されない苦しみの方に
スポットを当ててしまいました。





昔見た映画「エデンの東」の
ジェームズ・ディーンも父に愛されず
苦しむ役をやっていて
その印象が強いからかもしれません。




私は子供も兄弟もいないので
よくわかりませんが
子供に優劣をつけたり
ひとりの子だけをかわいがり
もう片方は何をしても褒められない
みたいな話を
身近に聞くことがあります。





同じ自分の子供なのに
なぜそういうことが起きるのかは
わかりませんが
愛されなかったもしくは
愛されなかったと思い込んだ子供は
そのあとの人生、人間関係において
ずっと苦しむことになります。




この物語の教訓は
カインが犯した罪より
親(神)に愛されなかったことが
子供を苦しめ人生を狂わせる
引き金になる。




そんな風に私は感じて
終始カインに感情移入してしまい
殺人者でありながら
かわいそうに思えてしまいました。





私は現代の殺人事件なら
どんなに不幸な生い立ちだろうが
それを言い訳にして
人を殺すのは許されないし
犯した罪相応の罰を受けるのが
当然だと思うんですが
カインに関しては
こんなにも情が湧くのは
自分でも不思議です。




親に愛されず
大人になっても苦しみ続ける人が
多いからかもしれません。




犯罪を起こすのは環境のせいではなく
持って生まれた種ですが
その種を目覚めさせないよう
子供のいる人には
子に優劣をつけたりすることなく
みんな同じように
かわいがってあげてほしいと
個人的には思うエピソードです🥲