私の奥底にどす黒く燃える炎がある
いつ燃え始めたのか記憶はない
凝り固まった怨念のように決して消えることがなく燃えている
それは怒りの塊のように強く激しい
私が春のうららかな日にほがらかな顔をしていようとも
初夏の朝に人生の喜びを感じていようとも
秋の午後に色づいた町並みに浸り、過去に思いを馳せて涙しようとも
冬の深夜、降り積もる雪をわけて祈りをささげようとも
私には消しても消しても、消し去ることができない怒りの炎が燃えさかっている
炎は生け贄を常に求めている
隙あらば燃やし尽くす相手を待ち構えている
牙をとぎ獲物をねらう
この純粋で残忍な感情が燃えさかるとき
私にはどうすることもできない
陽がのぼり、そして沈むことを止めることができないように
炎が燃えさかることを沈めることはできないのだ
人はいう
人を恨んではならないと
人はいう
人を憎んではならないと
人はいう
人に復讐してはならないと
善悪と遠く離れた土地で
炎は際立ち、いっそう勢いを増して燃え上がる