『祈り』 | 洋風文芸館(旧時計台)”おにょにょの館”

洋風文芸館(旧時計台)”おにょにょの館”

大正時代に金沢市を見下ろす卯辰山の山麓に時計台が建築され、洋風文芸館として今に残っています。文芸館の管理人”おにょにょ”は映画や文学、ときに音楽をこよなく愛する奇妙な生き物です。このブログはその”おにょにょ”が愛する作品達を、備忘録として残したものです。

黒い木立が葉を落として、髪を逆立てるが如く突っ立っている

雲海は折り重なり、細い枝はこれを切り取って一枚の風景画とした

冬の彷徨は渦巻いて、彼の不安を煽る

おまえにはdestinationidealizationもない

無論、dogmaidentificationもない

筏に乗って大洋に一人漕ぎ出せばわかるだろう

おまえは孤独である

記憶も忘れてしまって、守ることすらできない

今は生きぬくだけで精一杯である

恐れは無いはずなのに漫然とした不安はなんだ

おまえを内側から食い破る

不安は不安を糧としておまえを圧倒する

そんなとき自らを生け贄として差し出せ

祭壇にはらわたを供えるのだ

散らばった記憶を集めたっていい

だが忘れるな

血したたる臓物をみて

いつも命の本質をかみしめるのだ