「ジュンさん…。」
翔による人工呼吸で体力を取り戻した智が、ジュンに向かって何か言いたそうに少し不満気な表情でジュンを見た。
「おっと、お説教はゴメンだぜ。
あのままほっといたら結局、み〜んなお陀仏だからな。」
「……。」
何も言おうとせず智は下を向いたままじっとしていた。
「大野さんが命を落としたら俺も死ぬのはわかったけど、みんなってどういう…?」
翔が疑問に思ったことをジュンに投げかけた。
「…ま、いいか…。
オレはサトシの親父の飼い犬なんだ。」
「飼い、犬?」
「まあ、簡単に言えば、昔サトシの親父に命を助けられたんだよ。ただ、生きていくには契約を結ばなきゃならなかった。」
「契約? 今の大野さんと俺みたいな?」
「いや、その辺はちょっと違うな。オレも言うなればさっきの蜘蛛の魔族と同じようなもんだ。」
「えっ!?」
とっさに後ずさってしまった翔を見てジュンは呆れた顔でため息を漏らした。
「はぁ〜、お前なぁ、それが助けてもらったやつの態度がよ。」
「…あ、ご、ごめん…。」
「同じっ、つってもオレの一族は遥か昔からサトシ、ヴァンパイア族に忠誠を誓ってた一族なんだよ。」
「そうだったんだ。」
「率直に言うとだな、今は次元城に幽閉されてんだよ。そっから出たら長くはもたねぇ。」
「ちょ、ちょっと待って、わかんない事だらけなんだけど、それでもし大野さんの命がなくなったらあなたまで困るんですか?
「あ〜、めんどくせぇなぁ!
サトシが死んだら俺は二度と自由にはなれねぇんだよ! サトシの親父と交わした契約を成就して開放されるにはサトシが生きてなきゃ達成出来ねぇんだよ!」
「それはどういうわけで?」
「いちいち聞くな細かいやつだな! あとからサトシにでも聞けよ!」
まだまだ疑問を抱えたままの翔は納得出来ず、すっきりしないでモヤモヤしていた。
突然、ふと翔の腕を強く掴んできた智にびっくりして振り向いた。
「しょ…しょお…くん…。」
その顔は、何かに取り憑かれたような虚ろな目で翔を見つめ頬は紅く染まっていた。
悩ましくも甘えたような声で翔に囁いた。
「ど、どうしたの?」
翔は、智の漏れる吐息、紅潮した表情を見ているだけで心臓の動悸が早くなるのを感じた。
掴まれた腕を意識した途端、下腹部が熱くなってきた事に動揺を覚え、どうしたらいいのか分からなくなっていた。
「始まったな…。」
「え?」
ジュンの言葉に翔は聞き返した。
「ヴァンパイア族は生き血の他に、命の契約を交わした者の精を欲すると言われている。」
「……!?」
翔の顔は一気に真っ赤に染まり言葉が見つからなかった。
「ふっ、お前、初めてか?」
からかうようにニヤッと笑ってジュンは翔に言った。
「……。」
一層、顔は紅くなって全身が熱くなっていき、翔の下腹部は、もはや自分ではどうしようもなくどんどん硬くなって、下着を破りそうな勢いで張り詰めていた。
「う…オレも限界だな…。」
ジュンがそう漏らした。
「ええっ!?」
「バカっ! オレはそんなんじゃねぇよ!
うっ、ここに居られる限界だよ…。」
そう言うと、足元からまるでコンピューターグラフィックスのようにモザイク化して、実体が消え始めた。
「ジュ、ジュンさん!?」
翔は驚いて叫んでいた。
「心配すんな、次元城に戻るだけだ。
まあ、サトシの欲求に頑張って応えてやるんだな。」
一瞬忘れていたこれからの行為に、また身体が熱く硬さを取り戻していた。
「じゃあ、またな…。」
そう言うとジュンは完全に消えてしまった。
「しょお…く…ん…、ほ、欲しい…。」
女の子との経験すらなく、まして初めての相手が同性なのに、完全に智の全てに囚われた翔はもはや欲望に飲まれようとしていた。
ふいに智がしがみつき、それに応えるように翔が抱きしめた瞬間、フワッとした感覚に捕らわれたかと思うと今いたこの異空間から、まるで西洋の古城の部屋のような場所へと移動していた。
二人は抱き合ったまま、ふかふかの感触の中に横たわっていた。
それは昔の王様やお姫様が眠るような、カーテンに周りを隠された豪華なベッド。
「翔くん、ごめん、我慢できない!」
智は興奮して叫ぶと、翔の上に跨り身体を密着させるとそのまま唇に吸い付き、熱く硬くなった智自信を、それ以上に張り詰めている翔の下腹部に押し付けてきた。
貪るような智の行為に、初めて感じる痺れるような感覚に身も心も溺れていった…。
to be continue.
あとがきのようなもの。
次回からは久しぶりの限定を書く予定です。
ストーリーには特に影響はないと思いますが、続きは限定を書ききってからになるので、かなりお待たせするかと思いますが、よろしくお付き合いいただければと…。
このシリーズ、特殊な設定にも関わらず、いつも沢山の方に読んでもらえて感謝しております。
どうもありがとうございます♪