こちらは妄想であり、実際の人物とは一切関係ありません。腐、BL要素が含まれております。それでも大丈夫という方のみ、ご理解の上お進みください。
血の描写が気持ち悪いかもしれません。
苦手な方は注意してくださいね。
読み始めてヤバい!
と感じたらおやめくださいませ。
読んでもらえないのは悲しいけれどσ(^_^;)
「危なかったな。」
彼は振り返りそう言った。
「ジュンさん、助かったよ…。」
そう呼ばれ、こちらを向いて薄笑いを浮かべながら立っている彼は、目鼻立ちのはっきりとした顔で目ヂカラが強く、獣のような鋭さを放っていた。
ジュンと呼ばれた彼越しに見える黒い煙。
焦げ臭い匂いはそれが原因のようだった。
そこにいたはずの蜘蛛のような異形の存在は跡形もなく消え去っていた。
「珍しいな、俺を呼ぶなんてどれくらいぶりだったか…。」
ニヤッと笑いながら、少し皮肉っぽくそう言った彼の少し開いた口元からは、牙のようなものが見えていたが、智の牙とはまた違うようであった。
「そう…だね…。」
智は振り絞るように声を発した。
その顔色はどんどん真っ青になっていっていて、けして安心出来る状態ではないことを現していた。
「こんな話をしてる場合じゃなさそうだな。」
呆然と二人のやり取りを見ていた翔だったが、その言葉で感情と共に五感を取り戻した。
「お、大野さん!」
彼の手を握っていた掌に感覚が戻ると、生暖かい液体がとめどなく自分の手に降り注ぐのを感じた翔は慌てて名前を呼んだ。
微かに笑顔を見せるも、すぐに目を閉じて苦しそうな表情に変わった。
「俺が呼ばれたのはこいつのせいか?」
翔を見るとギロっと睨みながらそう言った。
「はあ…、この人間がここに平気でいられるってことは智、お前こいつに生命を分け与えたのか?」
智はもはや答える気力もなくなってきているのか、困ったような笑みをジュンに見せるだけだった。
「ちょ、ちょっと待って…。」
翔は恐る恐るジュンに話しかけた。
「あん?」
その、例えるならやさぐれ者のような物言いに、びくっと怖さを感じた翔だったが、怯むことなく言葉を続けた。
「さっき、生命を与えたとか言いましたよね? それってどういうことですか?」
「チッ。」
面倒くさそうに舌打ちをして、
「お前は一度死んでるってことだよ。」
そのひと言で、智と初めて会った日のキスと勘違いした『心臓も止まってたから、人工呼吸してたんだよ。』と言われたのを思い出した。
「だーかーら、お前はこいつの生命を貰ったから生きてるし、こうして普通の人間がいられねぇとこにいれんだよ!」
思い返して呆然としていた翔に畳みかけるように言い切った。
翔は二度も助けてくれた智のことを助けなければと、考えつく方法を口走った。
「と、とにかく救急車を呼ばなくちゃ!」
「バカか!」
呆れたように責められ、また萎縮してしまう。
「お前、何を見てたんだよ? こいつが普通の人間の手でなんとかなるとか本気で思ってんのかよ?」
翔はムッとしたけれど、今はそれどころではないというのを、握った手をとめどなく濡らす血液で思い知らされている。
「じゃ、じゃあどうすれば助けられんの!?」
思わず感情が昂り、つとめて抑えていた口調が乱暴になる。
ほんの一瞬の沈黙のあと、獲物を狩るかのような目つきで舌なめずりをしながら、翔にとって衝撃的な内容を告げられた。
「こいつにお前の血を一生吸わせてやるしかねぇな…。」
to be continue.