今日、この特別な一冊を
4月23日は、スペイン(カタルーニャ)の本の日、サンジョルディの日(DI'A DE SAN JORDI )です。
大切な人に本を贈る日で、特に男性からはバラの花、女性からは本を贈る日とされています。
そこで今日はこの一冊を。
現在東京都美術館で開催されている「プラド美術館展 」。
プラドの画家、絵画についての、簡単な解説書です。
これは、私の大学の教授、神吉(かんき)先生が書かれたもの。
ご自身もカトリック信者であった先生は、10年前にご帰天されました。
ご存命だったら、どんなにかこのプラド展を喜び、関わられていたことか。
先生の一番の思い出は、なんといってもその美声。
低くよく響く声は、中尾彬さんの声をもっともっと上品にしたような感じで、
甘く優しく、そして重厚な響きで教室を包んでいきました。
ゆったりとした物腰も、まさに紳士な方でした。
本の一言一言が、先生の声で語りかけてくるような、思い入れの深い一冊です。
授業は「スペイン美術史」。
スペインの美術って、その歴史から切り離せないんです。
歴史、時代的背景、宗教的モティーフの意味、その画家、その国、その時代の基礎知識があると、絵画を観ることはさらに面白い。もっと深いところが見えてくる。
今まで美術館で有名絵画を目にしたときの「わーすごい」の感動をもっと超えることができ、絵画をもっと親密な目で観ることができることを教わりました。
今回の目玉の「ティツィアーノ」についての記述はあまりありませんが、「プラド美術館展」に行かれる方には是非オススメしたい一冊です。
