あなたの内臓に壊れているところはあるだろうか?
筋肉は?神経は?
一昔前のSF映画なら
長いチューブや分厚い鋼鉄を外付けしているところだけど
最近の現実はもっとスマートだ。
京都大学の山中伸弥教授がノーベル賞を受賞した。
受賞理由は
「成熟した細胞を、多能性を持つ状態に初期化できることの発見」。
細胞というのは、初期の頃にはどんな細胞にでもなれる能力がある。
しかし年月がたつにつれ決まった器官の細胞にしかなれなくなる。
そこに、数種類の遺伝子を組み込むことでもとの初々しい細胞に戻すことができる。
それがiPS細胞だ。
ようするに、頭の固くなった定年間近のおじさんに
遺伝子をぶち込んだら、夢と希望にあふれる子供に戻った
みたいな話だろう。
こうやって考えてみるとかなりすごい技術だというのがわかる。
だって、普通おじさんに何をぶち込んでも子供には戻らないからね。
嫌がるだけだからね。おじさんのまま。
この発見で大きく進歩するのが再生医療だ。
患者の身体から作ったiPS細胞で臓器を作って移植すれば、拒絶反応もないというわけ。
しかし、現段階ではiPS細胞の無限に増殖する能力を
コントロールすることができないので、臓器を作るのは難しいだろう。
無理に治療に使おうとして
肝臓だけ5個できたりしたら困る。
もしそうなったら
「もう作っちゃったから持って帰ってください!」
なんて言われてタッパーにいれた肝臓を渡されるのだろうか。
iPS細胞は再生医療以外にも、病気の研究、薬の開発
さらには生命の成り立ちを解き明かすことにまで影響するという。
まさに万能細胞だ。
今後新しい使い道が見つかる可能性だって十分にある。
まずは、各分野の専門家に預けてどう使うかを考えてもらおう。
道場六三郎に預ければいい感じな懐石料理にしてくれるだろうし
ダルビッシュに預ければものすごい速さで投げてくれるはずだ。
一つの細胞が数多くの問題を解決する。
しかしそれは、獲得した能力を初期化したシンプルな細胞だ。
シンプルな形の手のひらサイズの機械が
電話やメール、インターネット、数多くのアプリケーションを使えるのに似ている。
見た目はシンプルなほうが、中身で勝負できるのだ。
見た目ばっかり派手な映画ほど、内容が無いのと同じようにね。
ではまた明日。