音相論は、なぜ日本語から生まれたのか。
この理論がなぜ日本語からしか生まれなかったのか。
それには次の3つの理由があげられます。
(1)日本語が、外国語の影響をほとんど受けていない純粋度の高い言語であったこと
日本語は外国語の影響をたいへん多くうけたことばのように思われがちですが、実際に影響をうけたのは「単語」の部分に限られて、言語の基本である「言葉の順序(統辞構造)」「文法」「音韻」などは、全く影響を受けておりません。そのため、日本人のあいだで共通の「ことば感覚」が幅広く醸成されているのです。
(2)日本語が整然とした体系をもつ言語であったこと。
日本語は、敬語など一部に例外もありますが、言語の仕組みや構造などが一定のルールや秩序でできていることです。
(3)日本語の音節(拍)が手ごろな数であったこと。
日本語の音節には、前記したように138がありますが、その数が手頃であったため、イメージの把握が容易だったことがあげられます。
西欧語の音節(Syllable)には一定の分類法がないため、英語の場合で見てみても「Spring」という語は何音節かの勘定も人によってまちまちで、音節の総数も学者によって1.800個、3.000個、10.000以上などいろいろな説があるようです。
音節数が1800以上にもなると、脳が行なうイメージ(表情)の識別が曖昧になるし、同じイメージを作る音節が100以上あるものがいくらもできるため音節を単位に明白な表情を捉えることができなくなります。
以上の理由から、音相論は日本語ではじめて実施できた理論といえるのです。