今のネーミングに欠けているもの
ネーミングの出来のいかんは企業の浮沈もかかわるため、その制作には最高幹部を先頭に多数の人が動員され長期をかけて行ないますが、そういう大きなプロジェクトの中で、時間をかけて検討されるのは意味や文字が中心で「音」については「語感」ということばが時々軽く出るだけで終わっているのが現状です。
ネーミングにとって、意味や文字の大事さはいうまでもありませんが、大衆の音響感覚が高度に発達した今日では、「音が作るイメージ」の良さを加えなければ人々に愛される、効果のあがるネーミングにはならないのです。
意味的な配慮や工夫は1年もたてば忘れられますが、音が作るイメージは永遠的なものとなって残るのです
ことばがもつ微妙なイメージの違いを高いレベルで感じることのできる感性をもっている今の大衆は、意味や文字より、音が作る「イメージの良さ」でネーミングの良否は決めているのです。
送り手は意味で送り、受け手はそれを音で評価する・・・このすれ違いがヒット・ネーミングが生まれにくい大きな原因となっているのです。
にもかわらず、ネーミングの制作現場でなぜ、「音」の検討が行われないのでしょうか。
それはことばのイメージには感覚的要素が多いため、これを解明するには音相論を学ばなければならないからで、その煩雑さをさけるため、作業がしやすい昔ながらの意味中心の方法が続いているのです。
一と夏だけ売れば良いような短期的な商品なら、意味やデザインやキャラクターなどで人々の目をパッと捉えて一応の効果をあげることもできますが、長期にわたってシンボルとなる社名やブランド名などには、ことばの中から滲み出てくるものがそこになければならないのです。