音相はどんな方法でとらえたか
「ことばが持つ表情」を整理してゆくと、陽と陰(明るさと暗さ)の軸と、強さと弱さの2つの軸で捉えることができます。
これらの2軸を組み合わせると、ことばの表情は次の6種に分けられます。
1、明るく強い表情(+BとH)
2、明るく弱い表情(+Bと非H)
3、暗く強い表情(-BとH)
4、暗く弱い表情(-Bと非H)
5、明暗いずれでもなく強い表情(±B0とH)
6、明暗いずれでもなく弱い表情(±B0と非H)
次に、表情とそれを作ている音素の関係を捉えるため、辞書から感情を含んだすべてのことばを取り出して(約1300語)、1つ1つの表情を内容別に上の6種に分類し、それぞれの中で多く使われている音素を取り出して、それと表情の関係を捉えたのが「音素と音価表」です(このはここでは省略します)。
この表から次の式が生まれます。
音 素 音素(子音)の構造 音節の表情
t (タ行の子音)・・・前舌音×破裂音×無声音 +B1.4 H1.5
g (ガ行の子音)・・・喉頭音×破裂音×有声音 -B2.0 H1.0
o (母音「オ」)・・・ 有声音 -B0.7 H0,0
この方法を用いると、「ト」や「ゴ 」という音節(拍)は
ト=t+o=t(+B1,4 H1.5)+o(-B0.7 H0.0)=(+B0.7 H1.5)
ゴ=g+o=g(-B2.0 H1.0)+o(-B0.7 H0.0)=-B2.7 H1.0)
のような表記ができます。
ことばの表情はこのように数量化して表現することができますが、これを元に表情をつくる単位となる音相基 (甲類表情)の表情を捉え、音相基相互の響きあいから生まれる乙類表情を捉え、さらに数種類の表情語の響き合いから生まれる「情緒」(24種)を捉えたうえ、これらを総合することによって、「ことば」(単語)のもつ表情を取り出すことができるのです。