漢字ネーミングの使い方
・・・「月桂冠」と「三越」の音相比較
明治のころから、日本酒の代表的銘酒とされてきた「月桂冠」ということばの音相を分析すると、表情語のトップの部分に、
活性的 60.0
軽快感 54.5
シンプル感 50.0
庶民的 50.0
があり、「庶民的な軽い飲料」のイメージを持った五であることがわかりますが、銘酒の名前に欠かせない「高級感、優雅さ、爽やかさ、安らぎ感」などの表情語がすべてゼロになっているのがわかります。
すなわち、この語は漢字全盛時代に意味と文字の良さに惹かれてできたもので、音のことは全く考慮になかったことがわかるのです。
そのため音感覚が発達しが現代人には、何となく古めかしさやもの足りないものを感じるのです。
同じ漢字全盛時代につくられた「三越」の場合を見てみましょう。
この語の表情欄のトップの部分は
爽やか 150.0
活性的 90.0
現代的 87.5
開放的 80.0
明白性 66.7
個性的 64.3
で、最近できたネーミングと錯覚しそうな、活き活きした明るいムードを感じるのです。
漢字という古風な文字を使っても、その音相が実体を正確にとらえてさえいれば、時代などにかかわりなく行き続けられるものなのです。
漢字ネーミングの使い方にはそんな秘密があるのです。
高島屋、松屋、松坂屋、伊勢丹などもそういう例といえましょう。