Q&A.1 音とイメージの間のルールを教えてください。 | 日本語好きな人、寄っといで

Q&A.1 音とイメージの間のルールを教えてください。

Q.
 中学3年生のS・Iと申します。
 私の学校では中学3年生が卒業論文を書きます。
 私は「音相」と飲み物の売り上げとの間に関係があるのではないかと調べています。そこで、無糖茶、コーヒー、炭酸飲料、スポーツドリンク、紅茶、水、果汁入り清涼飲料にはどんなひらがな音(おん)、たとえばコーヒーの苦みを表現するには「か行」がいいかとか、売上を伸ばすにはこの音がいいなどのルールがあったら教えて下さい。


A.
 大人でも気づく人のあまりいない、大変優れた観察です。
 おっしゃるとおり、ネーミングの音は売り上げに大きな影響を与えています。
 人々はネーミングの音が作るイメージと、商品が持つイメージ(商品コンセプト)の間に何らかの心象的な関わりを感じると、そのネーミングや商品に対し親近感や好感をおぼえるようになり、それが「覚えやすさ」と結びついて売り上げアップとなってゆくのです。
 しかしながら、どういう商品にはどんな音を使えばよいかを、かな文字単位で表現することは、例外があまりに多く、たいへん危険なことなのです。
 最近テレビなどで、「カの音にはこんなイメージがある」とか、「濁音は子供が好きな音だ」だなどと客観的な裏づけもなしにその場限りの説明している専門家といわれる人をみかけますが、ことばの音の構造と、音が作るイメージの間には、きわめて複雑なものがあるため、「カ」や「濁音」のような単純な音で言い切れるようなものではないのです。
 ご質問の「清涼飲料や軽いドリンク」などに使って効果のある音(音相基)は、無声摩擦音(サ行、ハ行音)、無声破裂音系(カ行、タ行、パ行音)の音のほか、長音、促音、清音(濁らない音)などがありますし、それらの音相基の響き合いから生まれるものもあるのです。