「年賀状にふさわしいことば」は どれ? | 日本語好きな人、寄っといで

「年賀状にふさわしいことば」は どれ?

 年賀状の束を前に、わたしは今、暖かい豊かな時をすごしています。
 「明けましておめでとう」「新年おめでとう」「謹賀新年」「賀正」…年賀状には新玉の歳を迎えた人のさまざまな思いが伝わってきますが、特別な意識もなく選ばれている賀詞そのものからも微妙なイメージの違いが伝わってくるのがわかります。


 このようなイメージの違いを捉えるには、それぞれの語がもつ音相を分析し、分析表に出てくる表情語を比べることでわかるのです。
 表情語とは、ことばが伝える表情のすべてを「シンプルから非活性的」までの20のことばに集約したものですが、新年を表現するにふさわしい表情語をその中から拾い上げると、次の8つがあるようです。
 「賑やか」「安らぎ」「庶民的」「優雅さ」「充実感」「清潔感」「新鮮さ」「明るさ」

 そこで前に上げた6つの賀詞の音相を分析して、これらの表情語をどの程度捉えているかを一覧表で比べてみました。


新年らしいことばはどれ?

必要な表情語 賑やか 安らか 庶民的 優雅さ 充実感 清らか 新鮮さ 明るさ 合 計 順 位
賀詞の区別
新年おめでとう
新年明けましておめでとう
明けましておめでとう
謹賀新年
恭賀新年
賀正

 この表から、「新年おめでとう」と「新年明けましておめでとう」は迎春のよろこびを完全に捉えたことば、「明けましておめでとう」「謹賀新年」がそれに次ぎ、「恭賀新年」と「賀正」は意味的な表現はされていても、情緒やイメージはほとんど伝えていないことがわかります。
(木通)