Q&A 日米語間のイメージ比較が音相論でできますか
Q.
英文学科で言語学を学んでいるものです。現在、日米語間の音素のイメージ比較に挑戦していますが、言葉の表情を比べるとき、音素の違いという壁にぶつかります。それを説く手がかりとして、私は感動詞や擬態語、擬声語に着目していますが、Sapirの著書によれば、音素体系から異言語のイメージ比較を行っても意味がないと出ていて戸惑っています。
音相理論では、日米語間のイメージ比較は可能でしょうか?
(日本女子大学 高橋晶)
A.
言語学では、語音の単位は音素の段階までですが、イメージを比較するには、音素を構成している音相基のレベルで捉えなければ得られません。
音相基とは、ことばの表情を作る最小単位のことで、多拍、少拍、無声化母音、濁音、順接拍、逆接拍など40種のものがあります。
シャネル、ロールスロイス、ティファニー、など有名ブランド名はどこの国でも同じようなイメージで聞かれ、同じように好感を得ているのをみても、ほとんどの言語に共通する感覚分野があることがわかります。
音素は語音を物理的、生理学的に捉えた単位ですが、音相は、音素に含まれている音相基で捉えるため、言語が持つ「イメージ」(感性)の分野が見えてくるのです。
しかしながら、異言語の比較を行う場合、「音の使い方の慣習」(音用慣習)に違いがありますから、どうしてもそこに限界があることを考慮に入れておかねばなりません。
なお、音相論では、感動詞や擬態語の比較はまだ手がけていませんが、擬声語には共通点がたいへん多いという結果を得ています。
(木通)