音感覚はどのようにして磨くか | 日本語好きな人、寄っといで

音感覚はどのようにして磨くか

 ことばの音の感覚を高めるには、さまざまな経験や学びが必要ですが、基本的な心構えとして次の2つがあるようです。


1.「ことばの音」を意識の上にのせる習慣
 まず、普段無意識に使っていることばを、意識の上にのせて考える習慣をつるることです。

 たとえばことばを話すとき「牛乳というよりもミルクの方がよいのでは」、「感覚というよりセンスの方がよいのでは」…など、同義語や類義語の中から文脈にもっともふさわしい音を持つ語はどれかを考える習慣を身につけることです。

 これは誰もが日常ほとんど無意識的に行っているものですが、それを意識の上に乗せることによって、「なぜか」の疑問が生まれ、そんな中から不思議な音の世界が見えてくるのです。


2.難音感を聞きとる訓練
 次になすべきことは、自分が話すことばの中に、言いにくい箇所があるかないかを聞き取る訓練です。

 言いにくいことばは、使い方によっては特殊な効果をあげることもありますが、基本的には文脈の音の流れを壊しますから、なるべく使用を避けることが大事です。

 「特殊な効果を上げるとき」とは、音の流れを壊すことによりその語のイメージが作られるような場合です。そういう効果を上げている語に「デコボコ」「ゴツゴツ」
「ピカピカ」「激辛」などがありますし、商品名にも「ペプシコーラ」「コカコーラ」などがあります。

 ことばの専門家といわれる人の中にも難音語をあまり意識しない人が見られましたが、大衆がことばの音に高い感性を持つに至った現代では、文章やネーミングの制作において難音感への知識は最低、身につけておかねばならないものといえましょう。


 難音感の研究はまだどこでも行われていませんが、音相理論では『同系の調音法音種が3連続以上したとき』や、『促音(っ)の後に有声音がきたとき』など難音感が起こる9つのケースを捉えています。深く研究されたい方は参考書「日本語の音相」 (254ページ)をご参照ください。

(木通)