古いのに新らしさを感じることば
夏向き飲料の代表格として古くから同じ名前で愛飲されているものに「三ツ矢サイダー」と「カルピス」があります。
三ツ矢サイダーが売り出されたのは明治四十年、カルピスは大正8年だそうですが、これら長寿のブランド名を分析すると、必ずそこに音相的な共通点が見られるのです。
この語はどちらを分析しても、表情解析欄の上位のところに、「爽やか、安らぎ感、健康感、清潔感、個性的、特殊感、シンプル…」など清涼飲料のネーミングにはなくてならない表情語が並んでいるのがわかります。
人々はこのような商品コンセプトにぴったり合った音をもつネーミングに、無意識のうちに共鳴し、親近感を抱くため、何時になっても若々しく新鮮な息吹をそこに感じるのです。
明治、大正時代に作られたもので、今でも古さを感じられないネーミングの例をいくつか上げてみましょう。
・実母散 ・沢の鶴 ・やまさ醤油 ・正宗 ・即席カレー
・えびすビール ・キリンビ―ル ・白鶴 ・花王石鹸
・牛乳石鹸 ・福神漬け ・毒掃丸 ・浅田飴 ・味の素
・龍角散 ・赤玉ポートワイン ・月桂冠 ・三越 ・松屋
・高島屋 ・松坂屋 …
こう見てくると、ネーミングの最後の価値を決めるのは、人の心に深く食い入る『音』の力といっても過言ではないようです。 (木通)