猛暑につき、閑話休題 | 日本語好きな人、寄っといで

猛暑につき、閑話休題

 秋風が立つころになると、卒業論文のネタ探しに何人かの学生さんがわが家を訪ねてこられます。
 私の本から質問を携えて来る人や、漠然と音相論のあらましを聞きにくる人などさまざまです。


 先日、訪ねてこられた人に私はこんな質問をしました。
「君は蛍ということばに、どんなものをイメージしますか」と。
 しばらく考えていた彼から、
「清楚で、穏やかで、闇を明るく照らす、情緒のある昆虫」

という返事がありました。


 そこでこの語をパソコンで打ち出した分析表をお見せしました。

「君がとらえた4つのものは、分析表でも高いポイントで捉えていますが、君が気づかなかったものを分析表はたくさんなものをとりだしています。
 表情語欄には
  5.非活性的、6.暖か、7.清潔感、8.軽やかさ。
 があるし、情緒解析欄には、
  9.曖昧感、10.ためらい感、11.クラシイク、

  12.神秘的、13.哀感、14.鄙びた感じ、15.純粋さ、

  16.素直さ、17.夢幻的、18.普通でない感じ、

  19.孤立感、20.寂しさ…
 などです。

  音相分析を行うと、ことばの中に含まれているさまざまな表情や、その語を取り巻く
 オーラのようなものをこんなに多く捉えられることがわかるのです。
  分析表を見てゆくと、個人が持っている「感性」の幅がいかに狭いものかがわかるので
 す。


 こんな話からはじまることが多いのですが、そのあとに続く話は、残暑厳しきさ中ゆえご迷惑と思いますし、こちらも幾分億劫なので、またの機会といたしましょう。
(木通隆行)