「念仏のお題目」を分析する | 日本語好きな人、寄っといで

「念仏のお題目」を分析する

 念仏のお題目 「南無阿弥陀仏」 と 「南無妙法蓮華経」 が音相的にどんなイメージを持つことばか、不謹慎の謗りをうけるのではと思いながら、ことば研究者の立場から音相分析を試みました。

● なむあみだぶつ  (南無阿弥陀仏)
 人々が宗教に求める「充実感」「暖かさ」「安らぎ感」「信頼感」「高尚さ」などが、表情語の最高点できわめて明白に捉えられているのが一と目でわかります。またコンセプト・バリュー欄でも、性別や時代にかかわりなく受け入れられることばであることを正しく捉えています。

● なんみょうほーれんげきょー (南無妙法蓮華経)

 表情語を見ると、前者(南無阿弥陀仏)とまったく同じ表情語が最高点でとらえられているのに驚きますが、前者より拍数が多いためマイナス輝性値が低くなり、それだけ高勁輝拍の使用比率も少なくなるため、前者の「万人向け」とはいくぶん違う、やや「年配者(女性は中年も含む)」に向くたことばであることがわかります。

 しかしながらさらに驚くことは、これら2つの情緒解析欄を見ると、どちらにも「神秘的」「不思議な感じ」「情緒的」「人肌のぬくもり感」「夢幻的」「孤高感」「おおらかさ」などを捉えていて、これらのことばを繰り返し唱えることで、異次元の世界が感得できる不思議な雰囲気をもったことばであることがわかるのです。さすが、宗教のお題目にふさわしい、すばらしい音相をもったことばであることに驚くばかりです。                             (研究員 桂太)