2012年9月末
彼と初めてのデート。
この日は、気合いを入れてミニ丈のワンピースを着て行った。
待ち合わせの時間に、彼のバーに行った。
この日は特に何も計画はしていなかった。
というよりも、それまでずっとメールでのやりとりばかりだったから、ちゃんと話してみたかった。
レンのお店のカウンターに座ると、彼が飲み物を出してくれた。
レンも私の隣に座って、しばらく話した。
どんな話しをしたかなんてもう覚えてないけど、笑うと目尻にシワが入る横顔が素敵だった。
ただ話しているだけで数時間経過していた。日曜日の昼間なんて、もちろんバーはおやすみ。
だから、お客さんが来るわけでもない、お店にはレンと私二人きり。
それもあって、時間が経つのを忘れてずっと話していた。
午前中に待ち合わせして、そろそろお腹も空いてくるお昼頃にはさすがに話すネタも尽きてきて
会話が途切れ途切れになっていた。
沈黙が、なんとなく気まずくって、カウンターに置いてあったレンの車の鍵を触って遊んでいた。
レンの車の鍵には、家の鍵、お店の鍵、職場の鍵、沢山鍵が付いていて触るたび鍵同士がぶつかって音を立てていた。
私とレンの会話の合間を、鍵の音だけが繋いでいた。
レンが、急に私の手を鍵ごとカウンターに押し付けた。
ちょっとびっくりして、レンの方を見ると、レンがじっと私を見ていた。
レンと私の距離が近づいていく。
レンと、初めてのキスをした。
あんなにも長い間キスをしていたのは、初めての経験だったし、あんなにも夢中でキスしたのもされたのも、初めてだった。
キスをした後も、私とレンはずっと抱き合っていた。
少し話したり、またキスをしたり、抱き合ったりして、さらに時間が過ぎた。
そろそろ店を出ようかという頃には、すっかりお昼も過ぎていた。
この日は、二人で遅いランチをして、夕方頃まで一緒に居た。
帰り際、またキスをして帰った。
私のそれまでの恋愛で、キスしたいと思った時に自分からできた相手は、レンだけだった。