2012年3月
私は、高校卒業と共に進学で関西の専門学校に通ったあと、そのまま関西で就職した。
社会人生活ももう10年目を迎えようとしていた当時、私はまだ関西で暮らしていた。
社会人になったばかりの20代前半のキラキラした世界とは違っていて、アラサーの私はとても焦っていた。結婚に。
結婚なんて、してもしなくてもどちらでも良いし、相手が居て必要があれば結婚したら良い。
と、今は思う。けど当時の世の中も私も、「女の幸せは結婚」と思っていた。
ちょうど年明け早々に、それまでの2年間ほど友達以上恋人未満の関係にあった彼からあっさり振られたこともあって余計焦っていた。
そんなタイミングで、2012年の3月のみ、地元で働くことになった。
都会生活の疲れと、結婚への焦りで気持ちがぐちゃぐちゃだった私にとって、実家で暫く生活できるのはささやかな癒しだった。
そんなマインドの中地元で1ヶ月働いてみて、実際に暮らしたらどうだろうか?
という、シミュレーションもしてみようと思っていた。そこで必要なのが、オトコ。
誰でも良かった。友達に紹介してほしいとお願いして紹介してもらった彼と、自分史上最大の恋愛をすることになるなんてこの時はまだ想像もしてなかった。
彼の名は、「レン」当時38歳、私の7個年上。
建築現場で働いていて、週末は趣味で友達とバーをしていた。
友達に紹介してもらって以降、しばらくメールのやりとりをした。
どんな仕事してるの?休みは何してるの?
どんな遊びが好き?最近どこ行った?
みたいな、よくあるやりとりをしていた。
彼は男の人にしてはとってもマメで、どんなメールも返信してくれた。
「これから仕事行きま〜す」
「職場ついた〜」
「今から帰りま〜す」
みたいな、何でもない私通信にもいちいちリアクションしてくれた。
私にはそれがとても心地よかった。
年明けにあっさり振られた彼はそんな風にコミュニケーション取ってくれなかったから。
会う?会わない??なんてやりとりしつつも、なんとなく予定が合わなくて1ヶ月経過してしまった。
そう、私が地元にいるのは3月だけ。4月からはまた関西に戻る。
彼もそのことを知っているから、どうにか都合をつけて会おうとはしてくれていたけど、予定は合わなかった。
彼に会うことなく、私は4月からまた都会の日常に戻った。
関西に戻ってからも、彼とのやりとりは続いていた。