34歳の春。

当時交際していた彼、両親に挨拶にまで来てくれた彼から音信不通にされた失恋の物語です。web書籍にもなっておりますのでぜひご覧くださいませハート

信じていた彼から音信不通にされた辛い経験を経て、今は普通にフルタイムで働くワーキングママなんかをやっております。あんなに傷ついた過去の記憶も、今では遠い昔のキラキラした失恋の思い出ですスター

私の過去の痛い記憶が、同じように今、彼との関係に悩んでいる誰かの救いになれば幸いです。

 

 

 

 

 

 
 
 
 
私の携帯は、金曜の夜から一切の電波を受付ていなかった為、亮からの返事が届くわけもなく。
 
 
予定通り日曜日12時に亮の自宅へ着くように出掛けた。
彼の家が近付くごとに、急に追い詰められた。
 
 
やっぱり、やめようか…。
 
 
別れる覚悟は出来ている。
 
でも強引に別れの言葉を引き出して、それが本当に自分が1番納得のいく事なのか…??
 
 
散々考えた上で行動を起こしているのに、ギリギリになって急に焦りだしていた。
 
 
心とは裏腹に、ブレーキを踏むことはなく、どんどん彼の家が近付いてきた。
 
 
予告してあるとはいえやはり実家住まいな為、急に訪ねては家族にも迷惑がかかると思い、そこは配慮した。
 
 
亮の家に行く時にいつも目印にしていた喫茶店がある。そこの角を曲がればすぐ亮の家に着く。
その喫茶店に車を停め、少し躊躇ったが、電話をした。
 
 
1…2…3…呼び出し音が鳴る回数を数えた。
 
 
意外にも、亮はすぐ電話に出た。
 
金曜のメールには返信をしたのだろうか?それに対していつもならスグ来るはずの返信がなかった事に、亮もこの事態の深刻さを察したのかもしれない。
 
 
「はい…」
 
 
彼の声だ。
 
 
電話に出ないかも?と思っていたので少し驚いた。
しかし、彼の口からは信じ難い言葉が次々と出てきた。
 
 
今出掛けていて、家には居ない。
戻るけど、また出掛ける。
会って話す事など何もない。
 
 
少なくとも、最後に会った亮とは全く別人かのような言葉が出てきた。
だが多少は予測していた事なのであまり慌てる事はなかった。
 
 
何処に居るの?
 
 
と、問い詰めても答えなかった事と、家には居ないと言っておいて電話に出た事で(玄関先まで来られたら困るから?)居留守を使っているのは容易に推測できた。
 
 
朝メールしておいた。
もう暫く会っていない事から、察して欲しかった。
 
1人で居たい、1人がいい。
 
 
だいたい予測のついていた言葉が出てきた。
 
 
何も言わずにフェイドアウトするつもりだったのか?
それは、卑怯だと思わなかったのか?
もっと早くにはっきりさせて欲しかった。
 
 
自分の思っていた事を告げた。
 
 
俺はこうゆう奴だ。
いつもこうやって別れてきた。
 
 
この言葉を聞いて、完全に自分の気持ちに決着が着いた。
 
 
最低…
 
 
と、気付いたら口からこぼれていた。
 
 
亮のあまりにも最低男への変貌ぶりに、しまいには呆れてきた。
 
 
楽しかった。ありがとう。などを告げて別れたかったが。
 
 
そんな言葉を伝えようとは思えなくなっていた…
 
 
電話を切った後、メールを確認したらそこには亮が送ったと言う返信がきていた。
 
 
色々考えたけど、もうお付き合いしていけないので別れましょう。
話し合いとか、勘弁願いたい。
 
 
と、きていた。
言いたい事を伝えた後なので、特に何も思わなかった。