34歳の春。

当時交際していた彼、両親に挨拶にまで来てくれた彼から音信不通にされた失恋の物語です。web書籍にもなっておりますのでぜひご覧くださいませハート

信じていた彼から音信不通にされた辛い経験を経て、今は普通にフルタイムで働くワーキングママなんかをやっております。あんなに傷ついた過去の記憶も、今では遠い昔のキラキラした失恋の思い出ですスター

私の過去の痛い記憶が、同じように今、彼との関係に悩んでいる誰かの救いになれば幸いです。

 

 

 

 

 

 
 
 
 
2014年2月
 
 
意外なまでにあっさりと、両親に亮を紹介する日が決まった。
その事を私はなかなか親に言い出せず、前日になってやっと親に話した。
 
 
「明日、彼氏を連れて来るから家の中を掃除しといて」
 
 
と、どう伝えたら良いのか分からなかったのでとりあえず、クールを装って伝えておいた。
 
 
両親はもちろん、驚いていた。
私が彼氏を両親に会わすなど、産まれて初めての事。
母はあわてて家中を掃除していた。
父も、最終のバイクの調整に気合いを入れていた。
 
 
私はと言えば…
裸祭りに参加するから見に来ないか?と、突然の亮からの誘いを受けたので。たまたま気分でドライブに出掛けた関西から地元まで駆け付け、夜中まで亮と一緒に居た。
 
 
よくあるマニュアル本には、彼からの急な誘いは断るべし。
みたいな事を書いてあるが。
性に合わない駆け引きをしてモヤモヤするぐらいなら、意のままに動いて飽きられた方が諦めがつく。と、いつも思っていた。
 
 
 
翌日は昼頃に待ち合わせをし、亮を連れて家に戻ったのは夕方。早速亮は父親と対面し、挨拶を交わしていた。3人で倉庫まで行き、私は興味もなかったが一応、バイクをいじる2人を見守った。
 
 
亮は結局、バイクに乗りたいと言って家に来たのに、全然乗らずに倉庫から庭まで移動させるほんの数十メートル?ぐらい走っただけ。
 
 
本当の目的はやはり…だったのか?
 
 
と、思ったらなんだか幸せな気分になった。
 
 
その後3人で地元の温泉へ行き、帰ってきてから両親と私達で鍋を囲んだ。
亮はやはり、コミュニケーション能力が高いのか?私の両親とも難なく会話を弾ませ、変に緊張した様子も見せなかった。
 
 
帰りに車の中で、疲れた?? と聞いたら、
 
 
いや、大丈夫。もっと疲れるかと思ってた。 
 
 
と言っていたから、それなりに緊張はしていたのだと思う。
 
 
亮の家までの車内、私たちはずっと手を繋いでいた。
 
 
亮の家に着き、いつものように別れた。
 
 
サイドミラーに映る、私を見送る亮の姿がなんとなく…もう2度と会えないような?そんな切ない気持ちにさせた。