34歳の春。

当時交際していた彼、両親に挨拶にまで来てくれた彼から音信不通にされた失恋の物語です。web書籍にもなっておりますのでぜひご覧くださいませハート

信じていた彼から音信不通にされた辛い経験を経て、今は普通にフルタイムで働くワーキングママなんかをやっております。あんなに傷ついた過去の記憶も、今では遠い昔のキラキラした失恋の思い出ですスター

私の過去の痛い記憶が、同じように今、彼との関係に悩んでいる誰かの救いになれば幸いです。

 

 

 

 

 

 
 
 

 

2012年9月

 


 

 

私はついに、14年住んだ関西を離れて実家へ帰る選択をした。

 


 

 

仕事も辞めて、全てを精算して地元へ帰るつもりで居たが。

 

たまたま、異動という形を取る事が出来た。就職活動をするのが面倒臭いという理由で、異動の話しを受ける事にした。

 


 

 

都落ちと言われてもいい、逃げたって良いんじゃないか?

 

自分に色んな言い訳をして、地元へ帰ってきた。

 


 

 

その背中を押したのは、新しい男(レン)の存在。

 

地元に出張していた間に、友人の紹介で知り合い、ずっと連絡を取り合っていた。

 


 

 

知り合ってから私が引っ越すまで、実際に会ったのは1度だけ。

 

メールのやりとりだけでそんなに関係が続くとは思ってなかったが、案外続いた。

 


 

 

それに、レンとやり取りをするのはとても心地良かった。

 

私は彼をきっかけに実家へ戻ろうと決めた。

 


 

 

地元に帰りたい想いの方が強かった為、その後レンと付き合う事になるかどうかについては、どちらでも良かった。もちろん、願望はあった。

 


 

 

狙い通り?レンとは地元に帰ってすぐ付き合う事になった。

 


 

 

長年過ごした愛着のある場所を離れる不安と、異動とはいえ今までとは全く働く環境が変わってしまう不安。その2つで押し潰されそうだった心に、いつもレンが寄り添ってくれた。

 


 

 

多分、レンにはそんなつもりはなかったのかもしれないが、私はいつもレンの存在に支えられていた。

 


 

 


 
レンは趣味で、バーを経営していた。

 

仕事帰りはいつも、そこへ立ち寄りレンと過ごして帰るようになっていた。

 


 

 

一方で地元の同級生とは、なんとなく違和感を感じていた。30過ぎまでずっと親元で過ごしてきたかつての親友達が、物凄く子供ぽく思えた。一緒に居ても全然楽しくないと、気付いてしまった。

 


 

 

それもあって地元の同級生とは自然と距離を取るようになり、いつも仕事が忙しい亮への想いも次第に薄れていった。

 


 

 


よって、その頃の私には、レンとの時間だけが支えとなっていた。

 


 

 


レンとは、基本的に物凄く相性が良かった。それ故に、どんどん我儘になっていく自分が居た。

 


 

 

 

何でもないやり取りをメールしたい時…

 


 

 

会いたい時…

 


 

 

声が聞きたい時…

 


 

 


レンはいつも私が求めれば応じてくれた。

 


 

 


レンが応えてくれないと、物凄く孤独を感じていた。

 


 

 


今思うとあの頃の私は、レンを想う気持ち以上に、レンに依存していた。

 


 

 

 
しかし、レンには結婚願望がなかった。理由はよく分からないが、結婚はしない と言う事に拘っているように見えた。

 


 

 


レンに依存する自分に気付きながら、この恋の賞味期限がそう長くない事にも気付いていた。