日差しの残る庭を何やら話しながら、マダムたちが部屋の前通り過ぎていくと、辺りは静かになった。カーテンから差し込む光はもう強くはない。少し遅れてよしこがベッドまでやってくると、ベッドに座るディディエは両腕をのばし、よしこの腰をひきよせる。パンツはファスナーがあげられているが、ボタンははずされているままだ。「せっかく下ろしたのに」とディディエは思う。もう一度ファスナーを下げ、パンツの両側を持ち勢いよくおろすと、よしこはバランスを崩しそうになる。ディディエの目の前には、膝近くまで肌があらわになったよしこの下半身がある。女の腰骨に乗せるようにして片手を置くと、ディディエはもう片方の親指を立てた。それからある場所を探しあてるまで、ディディエの親指はゆっくりと輪を描くようにし移動し、やがて両脚の中へと入っていこうとする。「あ」とよしこが声を上げるときにディディエの親指が触れているのが、探していたその場所である。それから、何かを救うように手の向きを変えて両脚の間に滑り込ませようとすると、固定電話機が鳴った。ふたりの動きが一瞬こわばった。4度目のコールでよしこが受話器を取りに動こうとした瞬間、ディディエはよしこの腰を自分に引き寄せた。両手をついてベッドによしこが倒れこむと、膝にからまっているパンツと下着を勢いよく剥ぎ取る。声を上げるよしこの背中にディディエが覆いかぶさり、尻の間から手を入れる。
「何だ、勉強するんじゃなかったのかい、留学生さん?電話が掛かってきてるじゃないか」
背中からよしこに腰を合わせるとすんなりと迎え入れられ、ディディエは野太いため息をあげる。ディディエの動きに合わせて女の身体は一緒に波打ち、次第にその動きが早くなる。電話は鳴り止まない。ディディエは身体を引き離すと、今度はよしこを仰向けにする。ディディエのセックスが再び身体の中に入り込んでくるとき、よしこはディディエの背中に両腕を回し、これ以上ディディエが入らないというところで、自分の脚をからめる。ディディエの下半身がよしこのそれにぴったりと合わさったまま、それでも奥へ奥へと進んでいこうとする動きを繰り返すうちに、よしこの身体から急激に力が抜けるのを感じる。それを合図に、ディディエの身体がもっと強張り、がくがくと腰を揺すってからよしこの横に倒れこんだ。
物音で目覚めると、よしこは隣にいなかった。部屋には明かりがついている。
「よしこ?」
ディディエが女の名前を呼ぶと、「ここよ」と声がした。上半身を起こすと、一番下のフロアのテーブルによしこがいた。
「今、何時?」
「9時半よ」
ディディエは驚いた。この部屋に来たのは6時頃ではなかったか。3時間半もいたことになる。「何で起こさないんだ」とディディエはいいながら、脱ぎ散らかした服を着始め、何かを云おうとするよしこを遮るようにディディエは「帰らなくちゃ。明日朝早いから」といい、靴を履き始めた。よしこに近づき軽くキスすると、「おやすみ」といいながらディディエは出て行った。
つづく
