ずっとこの日が来なければ良いのに…、と思っていた切断手術当日になってしまいました。


朝から主人が来てくれて、できるだけ普通に過ごそうとしましたが、何を話したのかもよく覚えていません。


「平静を貫こう」と心に決め、看護師さんに車椅子を押してもらいながら手術室へ。


関係者以外立ち入り禁止のところで、「じゃあ行ってくるね。」と主人に言いました。
主人も泣きそうな顔をしていて、私も泣いてしまいそうになりましたが何とか堪えました。


手術エリアに入るときに、看護師さんが「本当に大変な手術ですよね。」と言って肩を撫でてくれたのですが、それにすごく気持ちが込められていて、その瞬間急に涙が溢れてしまいましたえーん


視界が涙で滲み、嗚咽が止まらずあせるこんなに激しく泣いたのは何十年振りだろうというくらい。


麻酔をしなければならないのになかなか泣き止めなくて、「すみません、すみません…。」と言いながらしゃくりあげていたのですが、手術担当の看護師さんが「大丈夫、落ち着くまで待っているからね。」と優しく声を掛けてくれました。


その看護師さんの言葉で落ち着きを取り戻し、「もう大丈夫です。よろしくお願いします。最後に左脚を見せてください。」と言って左脚を目に焼き付けて、手術に臨みました。


麻酔をかけられ、数字を数えている途中から記憶はありません。


もう使い物にならないとわかっていても、やっぱり心の中では失いたくなかったんでしょうね。


次に目覚めるときにはもう左脚は無い、と思ったのが最後の記憶です。