だって、心にグッとくる本に出会わなかったんだもの……。
というのは言い訳で、最近、読書量がめっきり減っていました。
そんな、読書意欲が低下気味だった今日この頃、
久々にグッとくる本に出会ったのでご紹介したいと思います。
それは『ようこそ、自殺用品専門店へ』というフランスの小説です。
とある雑誌の書評で見つけ、「これだ!」と思い近所の書店に走りました。
ありましたよ、英米文学の棚にひっそりと1冊だけ!
私は読書をする時に、頭の中に世界観を作ってから読むことがたまにあります。
映画化が決まっているときとかはキャスティングだけお借りして読むとか(原作を読んだら、よっぽどじゃないかひり映画は見ないんですけどね。だって、がっかりするから……)。
この本を読むときはティム・バートンのアニメの世界を想像しながら読みました。もう、脳内は『コープス・ブライド』『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』。
さてさて、本題、本題。
10代続く自殺用品専門店を営む、超陰鬱で超ネガティブなテュバッシュ一家に、
超明るくてポジティブな末っ子が生まれて、
家族は思わぬ方向へと導かれていき……。
とまあ、結末はお楽しみということで。
ストーリーもさることながら、細かいディティールも楽しめます。
父の名はミシマ、母の名はルークリース、長女はマリリン、長男はフィンセント。
勘のいい方であればもうお気づきかと思いますが、
一家の名は自殺した著名人の名前からつけられています。
たとえば、ミシマですが、これは日本の作家・三島由紀夫からとられているようです。
自殺志願の客に“切腹”を勧めて白装束を売っていたりします(笑)。
このように一家の名前だけではなく、街の名前や通りの名前などところどころに
自殺を思わせるキーワードが出てきてブラックユーモアが満載。
もうちょっと文学的、文化的教養があったら、さらに楽しめたのだろうなと思います。
また、この自殺用品専門店の商品がとてもユニーク。
そして、衝撃の結末は?
私が読んだ書評では「後味が悪い結末ともいえる」としていましたが、
私は、これが自然な流れのように思えて、ストンと腹に落ちてきました。
この家族の未来を思えば、ね?
2012年には『髪結いの亭主』のパリス・ルコント監督がアニメーション映画化するようです。
この世界観を映像でどう表現してくれるのか、これはちょっと楽しみですね。
ようこそ、自殺用品専門店へ/ジャン トゥーレ

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