夏の自由研究「ピアノの歴史」

前回のあらすじ↓↓↓

(1)ピアノの前身

 

 

チューリップ赤チューリップ紫チューリップピンクチューリップオレンジチューリップ黄

 

 

昔の話をするまえに。

 

いわゆる「昔のピアノ」と「現代のピアノ」を区別するために、それぞれ呼ばれ方がありますので、ご紹介させていただきます。

 

 

★フォルテピアノ…いわゆる昔のピアノ。18世紀から19世紀前半あたりまでのピアノ。「古典ピアノ」「ピアノフォルテ」とも呼ばれます。ウィーン式とイギリス式に分けられる(次回以降にご紹介しますね)。

 

★ピアノ…20世紀以降のピアノ。「モダンピアノ」とも呼ばれます。

 

 

 

 

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 第2回  クリストフォリのピアノフォルテ

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イタリアの優れたチェンバロ技師、バルトロメオ・クリストフォリ(1655-1731)は、「ハンマーで弦を打ち音が鳴る」鍵盤楽器を発明しました。「ピアノとフォルテつきのチェンバロ(Gravizembalo col piano e forte)」の誕生、1700年頃のことです。

 

これこそチェンバロやクラヴィコードとは違う新しい発音機構を備えたピアノの原型、祝☆ピアノ誕生です!

クリストフォリのフォルテピアノは、現代のピアノのアクションの基礎。彼の存在なしに、今のピアノの誕生有り得なかったでしょう…感謝…いつかお墓参り行かないと。

 

 

1722年製 クリストフォリのピアノフォルテ

(写真:Wikipedia)

 

 

さて、さきほど「クリストフォリのピアノは現代のピアノの基礎」と言いましたが、例えばこんなところ。

 

≪クリストフォリが発明したピアノのアクション(発音機構)≫

 

① エスケープメント装置…離脱装置。打弦後にハンマーが弦からすぐ離れるようにする。

② バックチェック…ハンマーの跳ね返りを防ぐ

③ 中間レバー…鍵の動きを増幅させてハンマーに伝える役割   など・・・

 

 

現代のピアノ構造の本なんか読んでても、ふつうに登場する部位名がずらり。

 

 

(2)ペダルについて

 

クリストフォリのフォルテピアノには、ウナ・コルダ(※1)に似た機能のハンドストップがあります。当時は、現代のピアノのように足ペダルではなく、手で操作するハンドストップ型のペダル。ちなみにクリストフォリのフォルテピアノはダンパー(止音装置)を有しているものの、ダンパーペダルはまだありません。

 

 

(※1)ウナ・コルダuna cordeとはイタリア語で「1本の弦」という意味。当時のフォルテピアノは1音につき2本の弦が張られていて、打鍵するとハンマーは2本ともの弦を打つ。ウナ・コルダをONにすると、鍵盤全体が右にずれて、1本の弦のみ打弦するため、音量が小さくなり、音色の変化が生まれる。現代でも使われるウナ・コルダ(una corde/左端ペダル)の由来はこれ!

 

……って知ったときの感動と若干の落胆(←これについては近日公開予定の「おのあやpresentsホームコンサートchannel」とある曲のプログラムノートでちらっとお話するかも)。

 

 

 

ちなみにこのクリストフォリのウナ・コルダ機能は、打たれていない弦によって倍音が引き起こされてエコー効果が生じるらしい…すごい。現代のピアノにもおんなじ効果がでるしくみがあるんですよ。登場はかなり先になりそうですがそのときお話しますね。

 

 

 

 

(3)クリストフォリから次の世代へ

 

クリストフォリのフォルテピアノの普及には時間がかかりましたが、次のような理由がためだそう。

 

・チェンバロよりも製作が難しかったこと

・音が狂いやすかったこと

・高値だったこと などなど

 

 

ちなみに私は学生時代、西洋古楽器演習という授業でチェンバロのグループレッスンを受けていたのですが、チェンバロ室にはかつて音楽学専攻生によって作られたチェンバロが置いてあったんです。「チェンバロって手作りできるのか!」と衝撃を受けましたね。懐かしい。。

 

またチェンバリストの知人が調律師でもないのに自ら調律している姿にも毎度驚かされます(汗)チェンバロ界ではそう変わったことではないらしいですが。ピアノはピアノ調律師でないとまずできないと思います。

 

 

言うまでもないですが、私は全くピアノの調律なんてできないです(笑)譜面台出し入れするだけでひーひーいってます。

 

 

 

今夜の一曲は。

 

クリストフォリピアノの音色をお楽しみください。

 

ドメニコ・スカルラッティ/ソナタ k.9

 

次回へ続く