【色のガイドライン策定については他市を調査し、まずは市職員研修の項目に入れることを検討する(市)】
22.9.15 定例北見市議会一般質問(小野卓也)②色覚の多様性。アクセシビリティ全般 の一部
【1】
(小野)本庁舎に本年4月から団体要望、私の議会質問での提案で筆談機を設置した。現在の利用状況はどうか。また、どのように市民に案内しているのか。
(市)本年4月の設置以降、障がい福祉課のほか、窓口課などで11回の利用があった。
筆談機による対応が可能であることを市役所本庁舎の総合案内横に設置の大型モニターに表示しているほか、1、2階の窓口にもカードを掲示し、市民の皆様にご案内している。
【2】
(小野)市役所本庁舎の玄関にピンポーン♪の一定間隔で鳴る「音サイン」がない理由について伺う。
(市)市役所本庁舎をはじめとする、不特定かつ多数の者が利用し、床面積の合計が2千平方メートル以上の建築物は、高齢者、障がい者等の移動等の円滑化の促進に関する法律において、案内設備まで経路に点字ブロックを敷設し、または音声などにより視覚障がい者を誘導する設備を設けることとなっている。
市役所本庁舎については、点字ブロックが敷説されているので、基準を満たしていると認識している。
【3】
(小野)しかし、基準を満たしているから大丈夫で終わるのではなく、アクセシビリティの視点から市民サービスを考える必要がある。音サインが必要かどうかについて、当事者に聴取する考えはないか。
(市)市庁舎における視覚障がい者向けの音声誘導装置については、これまで庁舎利用者等からの設置要望はないが、今後、「市長への手紙」や「ポスト」など既存の広聴と共に、来庁された障がい者の方々のご意見も伺うなど、設備の必要性について検討していく。
【4】
(小野)点字ブロックなど施設整備にあたり色の選択について考えていく必要があるのではないか。
(市) 視覚障がい者誘導用ブロックの色は、施設管理者が選択することになりますが、今後も周囲の床材との輝度比などに配慮するとともに、施設利用者の安全性と利便性を優先し、識別しやすい色を選択していくことが必要と考えている。
【5】
(小野)現在、特定の学年の希望者だけに「色覚検査」が行われているが、その背景について示せ。
(市)それまで小学校4年生のみ健康診断で行われていた色覚検査が、学校保健法施行規則の一部改正により、必須項目から削除され、平成15年度から希望者に対して、個別に実施するものされた。
こうした中、児童生徒が自身の色覚の特性を知らないまま卒業を迎え、就職に当たって初めて色覚による就業規制に直面するという実態があることや、保護者に対して色覚異常及び色覚検査に関する基本的事項の周知が十分に行われていないという指摘を受け、文部科学省では、平成26年に学校医により健康相談での適切な対応や、教職員により色覚異常についての配慮と適切な指導等を行う旨の通知を発出している。
【6】
(小野)「色覚検査」について、学校について、今、学校ではどのような対応がなされているのか。
(市)色覚に心配を感じ、保護者からの受診希望がある小学校および義務教育学校前期課程4年生の児童を対象に、学校医による色覚相談を毎年実施している。
色覚相談後は、医師の所見により、経過観察や再検査等の対応をとっている。
また、保健だより等を通じて、保護者に色覚に関する基本的事項について周知するとともに、教職員については、校内研修等により色覚に関する正確な知識を習得し、学習指導、進路指導等において、児童生徒が自身の色覚の特性を知らないまま、不利益を受けることのないよう配慮する旨の適切な指導を行っている。
カラーユニバーサルに関する本
【7】
(小野)広報きたみに色選定の基準はあるのか。
(市)色の選定基準はなく、現在、マゼンダと黒を使用した二色刷りで作成している。
この2色で写真を表現した際には、顔入が映え、温かみも表現できることから、暖色を使用している。
【8】
(小野)広報きたみの色構成に対する市民要望、クレームなどはあるのか。
(市)現在、色の構成に対する市民要望はない。
【9】
(小野)では、洪水ハザードマップ作成にあたり色選定はどうなっているのか。
(市) 北見・端野・常呂・留辺蘂各自治区の洪水ハザードマップ作成にあたっては、色彩は重要な情報伝達要素であること、ユニバーサルデザインの観点から色の明度差や組合せに配慮したところだ。
※ハザードマップについては、答弁をもとにその姿勢を評価しました。
【10】
(小野)市のホームページの背景色を変える場合、どのようなポリシーを持って構成されているのか。
(市) 現在のホームページでは色覚の特性や閲覧者の好みから見やすい配色を選択できるよう画面上部に設置した切り替えボタンにより、白背景に黒文字のほか、黒背景に黄色い文字と濃い青色の背景に淡い水色の文字の3パターンに切り替えて表示することが可能となっている。
【11】
(小野)「広報に関する色のガイドライン」を策定すべきではないか。
(市)見やすく分かりやすい情報を提供することを心がけているが、配色により、人によって見え方が異なることに十分配慮する必要があると認識しており、今後、他市で策定されているガイドラインを調査するところからはじめていく。
札幌市の「広報に関する色のガイドライン」改訂版
【12】
(小野)市民の利用しやすさ、色の見え方・色覚の多様性に配慮し、市の印刷物の発行において検証作業が必要ではないか。
(市)市が発行する印刷物等については、多くの部署にまたがる課題であることから、ガイドラインの調査に合わせ、検証作業の必要性について関係部局と協議してまいりたいと考えている。
【13】
(小野)では、色覚の多様性、市の広報物など色の使い方について、職員研修のテーマとして学習してはどうか。
(市)配色など見え方の違いに対する配慮についても、研修項目の一つとして取り入れることなど検討をしていく。