「立憲民主」(政党機関紙)で有田芳生参議院議員との対談が紹介されました。参議院比例第1総支部版。




4年前まで8年間秘書としてお世話になり、ボランティア時代からだと15年のおつきあいになります。


有田さんの参院初当選の可能性が高くなったときでした。札幌でのボランティア活動を終え、新千歳空港から沖縄へ向かう搭乗検査場の前で「もし当選したら、東京で秘書をやってみませんか」と。急きょJAを退職し、東京永田町へ。8年間の勤務後、北見市議会議員に。


秘書時代、直接的には何を教えていただいたという記憶はなく、横で見て学んだことの方が多かったです。

ヘイトデモの現場に行くのも、有田さんご自身は単独で、ボクも個人として現場に出向くため、そして秘書として何かあったときに対処するため単独で現地に向かったことがほとんどです。ようはイメージとしてよくある「国会議員と秘書」のような「べったり感」はゼロの関係でした。


(有田さん二期目の当選。支援者の方々に促されて@渋谷区 唯一のべったり感かも笑)


有田さんの執務中、ボクが一番話しかけない秘書でした。

ジャーナリストとして生き抜いてきた背景や、基本ご自身で議会質問を組み立てられる方なので、有田さんから要望があった調査や資料請求に応えるか、それを先回りして用意するかどちらかに徹していました。

とにかく、議員が取り組んでいる時間を奪いたくない、邪魔にならないようにしたい、そしてスケジュールが回るよう、そこだけを意識していました。


こう書くと、関係性が薄いようにも見えますが、トータルではやはり一番やり取りをしています。深い話のほとんどは「大衆酒場」でした。


これも不思議な関係で、議員が秘書を引き連れて一献なんて、10回に1回なかったような。忘年会や慰労会ぐらいの記憶です。

そもそも、深夜国会になると本会議散会まで待機する秘書がほとんどだったのですが、有田さんの場合、いつも「早く帰りなさい」と言ってくれる方でした。

さすがに安保法制などのときは、こちらの意志で絶対に帰りませんでしたが。


ふたりで話す場面は約束していないことがほとんど。ボクがあるモツ焼き屋さんに、刺身屋さんに座っていれば、有田さんが偶然同じ店に。逆もしかり。そこでああでもない、こうでもないと話すのです。

東京都内にあふれるほどの飲食店があるなか、偶然ってことないと思われるでしょうが、店の嗜好や行きつけが同じのため、ほんとよくお会いするのです。

当時がコロナ禍だったら難しかったことでしょう。


よく、秘書になりたいという方、あるいはなった方から、どうしたらなれるか、どう接するかといまでも聞かれることがありますが、ボクから参考になるようなことはありません。


秘書もそれぞれタイプがあるように、議員もそれぞれ。相性もありますし、なんぼ敏腕秘書といわれたひとでも、違う議員の秘書になればうまくいかないといったケースなんてたくさんみてきました。

議員という個性あふれる方々に接するときテンプレートはありませんし、秘書を描いたドラマや映画のようなカタチだけとは限らないのです。


有田さんからは、じぶんの強みをつくることの大切さを言われたことを強く覚えています。


「個」を大切にする有田さんですし、ボク自身も自治体議員として有田さんとは違った独自のスタイルで取り組む考えを強くもっていましたが「蛙の子は蛙」。

結局は市政において人権施策にしぜんに取り組んでいます。もちろん交通や経済政策にも。


最近気づいたのですが、議会質問での展開や口調も結果的にどこか有田さんの真似をしています。無意識です。


質問のつくりかたも「こうしたらいい」と言われたことはないのですが、質問構成にストーリー性をもたせること、必ず取材をかさね表現すること。有田さんにはかないませんが結局は意識していた市議一期目の4年間だったのでしょう。


ひとつだけ。秘書に強要しない有田さんがポツリとボクに話したことがありました。ヘイトデモに抗した帰り道です。


「僕が課題をもって現場に行き、そこに秘書さんが同じ思いで同じ場所にいてくれたら、それはうれしいよね」と。


ヘイトデモなどや、いろいろな集会にボクも行くと必ず言われるんですよ、有田さんに。

「なんだ、来てたの?」。いつもはその程度の会話。

(秘書時代、現場で唯一ふたり並ぶ写真@新大久保 右端は鈴木邦男さん ©️ジャーナリスト田中龍作さん 撮影)


でもホンネはもっと社会問題にじぶんと同じように関心をもち、個人としても取り組んでほしいと思っているわけです。秘書というかひとりのひととしてなんでしょうね。あくまで想像ですが。

そこを秘書に遠慮しがちに伝えるのが、有田さんらしいなと思った一瞬でした。


「調査なくして発言権なし」

現場主義の有田さんが大切にしていることばを大事にしています。