さて今回は獣王について書いてみたいと思います。


※サミー。2000年12月登場。販売台数約14万台。




自らをSUPER ATと銘打ち、ホールに登場。世に爆裂AT機ブームを巻き起こした「獣王」。AT機を苦手としていた僕ですらハマった名機中の名機。
通常時のほぼ全てのゲームで15枚役が成立。ただし15枚役は12択になっているため、通常時のほとんどは15枚役を取りこぼす仕組みになっていました。





※左はゾウ・ライオン・ダチョウの3択、中&右は赤or青チェリーの2択で、3×2×2の12択が合致すると15枚の払い出しがありました。



さてこの15枚役をナビしてくれるのがAT「サバンナチャンス(通称サバチャン)」です。1回の継続ゲーム数は10Gor30Gと一見短め。ただし、1Gあたりの純増は脅威の10枚となっていたため、10GでもREG同等、30GならBIG1回に匹敵する枚数を獲得できたのでした。



※ATを10G消化したところで、「AT30」の告知があれば継続! 歓喜の瞬間です。


そしてこのサバチャン最大の魅力は、強烈な連チャン機能にありました。サバチャン終了後、しばらく静かな状態が続くのですが、その後にザワザワとドットが騒ぎ出し、サバチャン告知。この「いるの? ねえ、いるの?」感は、多くのプレイヤーをトリコにしたのでした。まさに、現在の「前兆」の先駆けといえるでしょう。



※サバチャン後はドット演出が発生するだけでドキドキ。チャンスキャラのマングースが登場しようもんなら、いてくれなきゃ困ります! と祈ったものです。



このサバチャン、導入当初は当選契機が全く分かっていなかったので、いつどこで始まるのか分からない…というドキドキ感も魅力の1つでした。その後、解析が進み「純ハズレ」時に抽選していることが分かるのですが、そのシステムにも驚愕したのを良く覚えています。




※獣王は15枚役が超高確率で成立しているため、ハズレ自体のフラグが少ない。15枚役を取りこぼしても、一見ハズレに見えるため、本当のハズレを「純ハズレ」と名付け差別化したんですね。ただし変則押しするとカンタンに見抜くことが可能でした。




純ハズレの確率は約1/200(設定6のみ若干出現率が悪い)。これを引くとサバチャンの抽選を行うのですが、低確率中では当選率が低いうえ、ほぼ単発で終了。ところが高確中なら文字通り高確率でサバチャンを抽選。さらに連チャン性も高かったため、ここがまさに本機の叩きどころだったワケです。




※純ハズレ後演出が頻出し、最終的にドットに「A」が止まった快感は、打ったことのある人なら誰もが病み付きになったハズ。




サバチャンの連チャンはストック式で、その振り分けが面白かったのも特徴。単発・2連・3連…と振り分けがあるのですが、3連以降は5連・7連…と奇数連しか振り分けがないのです。つまり、4連目が発動した時点で、5連以上が確定! ここに上乗せが加わることで「あと幾つ残っているんだ?」というワクワク感が堪らなかったのです。なお、一度の当選での最大連チャン数は29連。途中の上乗せやボーナスでの増加を考えれば、一撃万枚も十分ありえるスペックでした。




獣王といえば高確チェックの風景も忘れられません。
先述したとおり、獣王にはサバチャンが当選しやすい高確状態がありました。高確移行の条件はいくつかありますが、現実的なのは「BIG終了後」「設定変更後」の2つ。後者は少し変わっていて「設定2以上に変更すると超高確率で高確に移行する」という特徴がありました。さらに、この高確。滞在をカンタンに、かつ確実に見抜くことができたのです。


その方法はバックライトのフラッシュ。コインを投入→清算し、30秒程度待つとデモ状態に移行。このときバックライトが「SAMMY」と光るのですが、その最初のSの右上がチカチカと点滅すると高確状態確定! 当然朝イチは皆、この高確状態を取り合ったのでありました。



※バックライトは正面からより、横から直接覗いた方が判別しやすかった。




BIG終了後は確実に高確のため、ここで一度光り方をチェックしておけばカンタンに違いを覚えられたのも大きいです。
なお、高確→低確の転落契機は「チェリー成立の約1/4」「リプレイ成立の約1/25」「REG成立時の1/2」だったハズです。特にチェリーとREGは、変則押しすると純ハズレと停止形が途中まで同じなので、BIG後に出現すると「サバチャンか? 転落か?」と結果を見るのに超ドキドキしました。




※僕はアツい演出時はこの打ち方。逆押しでゾウを狙って、中段に停止するとチェリーor純ハズレorボーナス。逆ハサミでゾウを狙ってテンパイすれば純ハズレorボーナス。中リールの枠上(←ちょい自信がないけど確か枠上)にゾウを狙って、15枚役が取れるとなぜかBIG(当時は同時成立がないのでバグだと思われる)。REGが揃わなければ、純ハズレ、REGが揃ったら高確継続を祈るべし。




…とこんな感じの機種でした。



ちなみにサバチャン中はこんな風にドットで小役をナビ。

※ナビされた絵柄を元に目押しすればOK。ただし逆ハサミすると、制御で100%取りこぼすので注意!


そういえば、消化中の3G目から8G目までの6ゲーム間を36秒以内で消化するとサバチャンが1G増えるという裏技も存在。上級者は高速で消化し1G増やしが標準でした。実際は、リプレイが沢山成立したときのための保障的な意味合いで搭載されていた機能と思われます。



この他のネタでいえば、未だサミーの機種のプレミアムで出現する「ダナゾ」は、この獣王が元ネタ。なぜダナゾが選ばれたのかというと、通常時、あまりにも15枚役が入賞しないと、ナビ高確率状態に移行。ここで15枚役を1回だけナビしてくれるのですが、ダナゾだけは選択率が非常に低いのが特徴。小役ナビはボーナスやサバチャン告知にも使用されていたため、ダナゾが出現すると小役ナビとしてよりも、ボーナスorサバチャンの期待度が高かったのです。



※純ハズレ後やサバチャンの終了後に出現した「ダナゾ」の高揚感は言葉にならないほど。ハズれてボーナスでもよし、小役が揃ってもBETでサバチャン発動の可能性特大!


いかがだったでしょうか? ここまで書いたんですが、正直周りの人に比べたら僕は全然獣王を打っていない部類だと思います。大好きでしたけど、勝てる気は全くしませんでしたしw
まず約1/430のBIGを引き、その後100G程度の高確で1/200の純ハズレを引く。そこで約1/5のサバチャン抽選に当選させて、さらに単発もあり…。冷静に考えると、この途方もない抽選の山を超えるのは無理だろ…と考えちゃったんですね。そう考えると、通常時から頻繁に高確に移行する現在のAT・ART機は常にチャンスがあるぶん戦いやすいな…と思いますもん。




では、また次回!


※このランプを光らせたいがために、お金をじゃぶじゃぶ入れていました。