息子がまだ小さい頃、私はある1匹の子猫を助けたくて、1ケ月間で20匹以上の子猫を里子に出した事があります。


あの夏は、私の人生でもっとも忙しく、大変な日の始まりでした。

 

会社の方にお願いをして、子猫を置かせてもらいました。



子猫の保護を始めたのが、その年の7月10日。


そしてすべて(一部除く)の子猫を里子に出し終えたのは8月10日。



本当に1ケ月間で…と自分でも驚きます。


また、私は里親様を選ぶうえで無知だったと思います。


今まで3匹までの子猫を一緒に里親募集した事があっても、一度に20匹以上の子猫を保護して、里親募集した事は無かったので、家族には沢山の迷惑を掛けました。


夜中まで里親様とのメールのやりとりで夫はあきれ 「猫が大嫌いだ」 と言い


「私も仕方ないでしょ、早くしないといけない」 と自分に言い聞かせて、無理やり家族を巻き込んでの里親募集でした。


昼間仕事をしている里親様は夜の面会か土日面会を希望します。


子供を母に預け、帰りが遅くなる時は夫に子供を見てもらう。


またお盆休み中は夫の田舎に行く事が決まっていたので、それまでに何とかしなくてはいけない。


会社に子猫を置いてもらう限りは早く里親募集をして里親様を決めなくては…私の中で期限を決めていました。


だから今は里親様から里親募集があっても、夜の返事が出来ないのです。


家族に迷惑をかけた自分の罪滅ぼしなのです。


夜は家族で一緒に過ごして、至急の里親様とのやり取り以外メールのやりとりは出来るだけ避けているのです。



でも今あの夏と同じ様にようにやれと言われても体力的にもきっと無理でしょうけど…。



初めて家なき猫友さんに会ったのもその時です。



私はいつも会社まで自転車で通っています。


いつも通る道でなく、近道しようとある都営団地を通り抜けました。


そこには沢山の猫達がいて、とても不思議な光景でした。


都営団地の一角に大人猫と子猫が沢山いる場所があり、そこの地面に横になっている子猫がいたのです。


最初、寝ているかのかな?と思いました。


でも次の日も次の日も、そこに横たわっている。


母猫らしき猫は居るのに、その子猫の面倒を見ようとしないのです。


雨が降るとその子猫は移動して、濡れない場所で倒れている。


少し安心しました。


きっと生きているから動いているのだろうと…。


次の日は土曜日でした。私は朝、会社に行くためにその道を通りました。


やっぱりまだ倒れている…。


次の日曜日は会社がお休みでしたが、何をするにもその子猫の事ばかり考えていました。


次の日の月曜日、やっぱりその子猫は倒れていました。


もうどうしようもない気持ちで一杯です。


私は会社の方に相談をしました。



子猫が倒れているから助けたい!



自分一人ではその時、勇気が無かったのです。


会社の方は「その子猫を助けに行こう」と車を出してくれました。


2人でその都営団地に行き、倒れている子猫を抱きかかえました。


生きているのが不思議なほどでした。


冷たく小さなその子猫を抱きかかえて病院に運びました。



助からないかもしれない…。



病院でいつも言われる言葉です。


院長先生は全力でその子を助けてくれようとしていました。


また、私は院長先生に都営団地で猫が沢山いて驚いたと伝えました。


そのとき院長先生は


その子達を助ければいい


と簡単に言って、猫ボランティアをしている家なき猫友さんを紹介してくれたのです。


その時初めて猫ボランティアという言葉も聞きました。


私は子猫を保護する事はあっても自分勝手にやっていたので、親猫に対してTNR活動(地域猫に避妊や去勢をして元の場所に戻す事)をすることは無かったのです。


都営団地でご飯をあげている人と家なき猫友さんが話をしてくれて、毎日捕獲器を3台設置。


家なき猫友さんは大人猫をTNR、私は子猫を担当して里親様を見つける事を始めました。


会社にお願いをして、子猫を少しの間置かせてもらう約束をしました。


当時家なき猫友さんは3ヶ所でTNR活動をしていたので、夏の暑い日に大変だったと思います。


私はそんな事も知らなかったので、毎日2~3匹捕まえてくる子猫に四苦八苦していました。



都営団地で小さな子猫が目の前をヒョコヒョコと歩いている…。



この子も保護しようか、という具合で慣れていた子は次々に保護していきます。


また慣れていない子も多いのです。子猫なのに凄い剣幕で怒ります。そういう子は捕獲器で保護しました。


外猫で衛生状況の悪い環境です。


片目が潰れている子が多く、切開の為病院に運んでもらったり、目薬を付けたり大忙しでした。



昨年末、私、母と息子、家なき猫友さん、保護宅を提供してくれる友人、猫を預かってくれる友人で忘年会をしました。


家なき猫友さんはその時言いました。


小さな子供がいる人が猫を保護したいと言っていたから本気じゃないと思っていました


笑いながら言った家なき猫友さんの言葉には優しさが溢れていました。



なんだか少しだけ認められて嬉しかったな~。


あの夏ずっと倒れていた子猫は長期入院後、元気になって母が面倒を見てくれました。


そして病院に貼り紙などをして、何とか里親様に巡り会う事ができました。


そんな夏の出来事の事…。


他の子猫達の事もまたの機会に書けたらと思います…。



切っ掛けとなった子猫(女の子)の写真です。

当時は名前を付けていませんでした。

白黒ちゃんとかチビちゃんとか呼んでいました。

里親様宅では美ー子ちゃんと呼ばれています。


保護後、元気になって里親募集をした時の写真

子猫里親日記




「追伸」


天ぷら屋さんに貰われていった美ー子ちゃんですが、1年半位たってから家族で会いに行きました。


母の事はすっかり忘れていたようです。

母の事をとても怖がっていました。


母は「あんなに可愛かったのに…」とショックを受けていたようですが、家族の人だけに甘える様になっていました。


家族の方が大切に育ててくれていれば、それだけで充分です。