傑作復活編…
タイトルだけだと、非常に胸が躍る。
①昨日公園
テーマ:タイムスリップによる過去のやり直し
(byニコニコ大百科)
物語が始まってまず思ったこと。
有村架純、可愛い!!
…さて、肝心の物語。
ファイナルデッドシリーズか!!
と思わず突っ込んでしまいたくなる展開。物語の展開に新鮮味はない。
「過去にタイムスリップすれば死亡する人数が増える」という設定を生かし、
有村架純がサブヒロインを助けることを何十億回と失敗する→全人類が一度に滅ぶ→何故かタイムスリップが出来ず、有村架純が地球でただ一人生きていく…
という救いようのない話になるのかな…と思いながら見ていた。
本作を傑作に高めている部分は、7年後を物語に織り込んでいるところだと思う。
7年後の物語が始まった時、「やられた!!」と思った。
有村架純が物分かり悪く「もっと頑張ってよ!」と泣き叫んでも、本作のように全てを受け入れても、何にせよ物語として、救いがなく、後味が悪い。まさに奇妙な物語。
一つ残念だった点は、有村架純の演技力がしょぼいこと。
一番最後のシーン。愛する夫の頑張りも理解し、また、自分がかつて親友を見捨てた罪悪感とも向き合い全てを受け入れる、という難しいシーンではあるんだろうけど、主人公の気持ちがなーんにも伝わってこない。ただ有村架純のアップで終わる、というだけ。物語の主人公にはなれていなかった。
物語はとても面白かった。
さすが25周年の傑作選じゃないか!!
②イマキヨさん
あらすじ:就職活動中の主人公は、ある日、家に帰ると中に「変なオッサン」がいたため警察に通報するが、それは自分にしか見えない「イマキヨさん」で、とてもありがたい神様だと言う。普通にしていれば幸運をもたらしてくれるのだが、イマキヨさんには「イマキヨさんを追い出さない・傷つけない・引越しの話をしない・謝らない」の4つの約束事があった。それを破ると…。
(byウィキペディア)
面白い!!
イマキヨさん、登場シーンからすでに奇妙。
ポテチをぼりぼり食べたり、麻雀が出来なかったりと、物語の前半のイマキヨさんは多少コミカルに描かれている点も、後半の奇妙さを際立たせている。
通常の世界では受け入れられないイマキヨさんだが、「地域の伝承」という技を使うことで、視聴者にイマキヨさんを受け入れる土壌を作っている点も上手い。
最後、主人公が大量のイマキヨさんに呑まれるシーンで
「主人公がチャラチャラとブレスレットをしていたのは、次のイマキヨさんにブレスレットを付けるためか!」と感心していたのだが、主人公が当初からしていた分かりやすい癖の方を使ってきたことで、餌に飛びついてしまった自分が恥ずかしくなってしまった。
(しかし、就職面接にブレスレットしてくるやつは受からないだろうな…)
奇妙だったし、個人的に騙された!と感じた作品。
いや、実に見る価値のある作品だ!!
見て良かった!!!25周年記念!!!
③ハイ・ヌーン
あらすじ:ジリジリと気温が上昇する、とあるけだるい夏の日の午後。ここは、何の変哲もない、ごくありふれた駅前商店街の大衆食堂。エアコンが故障している蒸し暑い店内で常連客が淡々と食事をしている。ラジオからは高校野球の生中継が聞こえている。静かな午後であった…
(byウィキペディア)
高校野球の展開と食堂での展開が多少リンクしているという点がこの物語の面白さの一つだと思うのだが、いかんせんラジオの音量が小さい。
やはり高校野球はテレ朝の独壇場だから、フジテレビ側からは面白くないのかね…
と邪推するくらいラジオの音量が小さい。
ラジオとテレビは仲悪いのかね…
と邪推するくらいラジオの音量が小さい。
テレビ番組を見るとき、字幕をONにして見ている自分は気付いたが、気付かない人は最後まで気づかないんではないだろうか。
話は、和田アキ子が大食いする話。
全然面白くない。
④ズンドコベロンチョ
科学技術の進歩が一定数の推理小説を殺したことと同じように、ズンドコベロンチョもベロンチョしていた。
行きつけの美容院・取引先・ばあちゃん等に協力してもらい、嫌味な社長に一泡吹かせる話、までスケールを小さくしていれば良かった。
途中で挟まれた「まさかの夢オチ!?」「って誰に言ってんの俺?」といううすら寒いメタ視点。
いっそ夢オチで終わったほうが良かった。
ウィキペディアが
「シナジーによる熱伝導が作用したオポチュニティーともいえる。」と言っているのだから、長年の疑問が解決した。
ズンドコベロンチョとはシナジーによる熱伝導が作用したオポチュニティーなのである。
ネットが発達した現代でこの話をやるのは無理がある。
ズンドコベロンチョの話の間のCMでGoogleのCMでも入ったら、それはそれで面白かったのだが。
あまり良く知らなかったが、藤木直人さんの演技はとても魅力的だった。イケメンが追い詰められている感じがすごく良かった。
⑤思い出を売る男
あらすじ:借金取りに追われている古川は、ある日、思い出を買うという研究所のチラシを目にした…
この物語を見て、感動できない程度に年をとってしまった…
頑張らなければならない時に頑張らず、借金を抱え妻と子供を苦しめ、娘が病気になると治療費作るために自ら廃人となることを選び、さらに妻と子供を苦しめる。
妻は思わないだろうか。自分がもう少し支えることが出来たら夫は廃人にならなかったのではないかと。
子供は思わないだろうか。私が病気になったからパパが廃人になってしまったのだと。
心臓移植したかどうかは不明だが、2006年から心臓移植は健康保険適用。入院期間にもよるだろうが、何千万とは絶対にかからない。
正しい知識もなく一時的な感情で自ら廃人となることを選び、妻と娘に重い十字架を一生背負わせる。
父親として何一つ尊敬出来ない。
最後、主人公が記憶を取り戻さなかったのが、この物語唯一の救い。あそこで妻と子供の記憶が戻っていたら世紀の駄作になっていたと思う。
記憶転移装置の動き・目に優しくない電飾は安っぽくて面白かった。
前半2作が面白かった分、後半3作に不満が残る結果となった。
ズンドコベロンチョは駄作になりかけていたが、藤木直人の力で何とか普通の作品になっていた。
演技のプロである「俳優」の力のすごみを感じた。
ちなみに。
ハイ・ヌーン。
ネットでちょこちょこ見ていたら、傑作と名高かった。
なので過去の作品を見てみた。奇妙で面白い。
主人公が全く違う。
主人公にとって、ご飯を大量に食べることは日常。騒ぎ立てる周りが非日常。
お互いの世界の日常と非日常の交錯が奇妙さに繋がるのではないか。
和田アキ子の注文姿勢は、一品目から決死の覚悟を感じる勢いがある。注文を待つ間も決死の表情である。
頑張ってる感が出てしまえば、そこに奇妙さは生まれない。ギャル曽根がハイ・ヌーンの主人公だったならただの大食い作品になることと一緒である。
過去作の主人公である玉置浩二はボソッと注文し、淡々と食べ、またボソッと注文している。
カレーライスを美味しいと言う辺りは同じだったが、決定的に違うのは、メニュー制覇したときに見せたあの奇妙な笑み。背筋がゾクッとした。
過去の主人公の気持ちは最後まで分からないまま「延長戦」への突入。本当に奇妙な話だった。
イケメンの玉置浩二が髪形を変えダサいメガネをかけ、「キモイ」役柄を完璧に演じ切っているのに対し、今回の和田アキ子は最後まで和田アキ子だった。
過去の優秀なコンテンツは、こうして食い潰されていくのである。
見てよかった度:☆☆
また見たい度 :☆
下手なアレンジを加えず過去の名作をそのまま放送した方が絶対に面白い度:☆☆☆☆☆