先日、妻の実家の田をうねりに行ってきました。

田植えをする前に田に生えた草を刈るのです。

初めてのトラクター運転。
ペーパードライバー。


緊張が伝わる表情です。



妻の実家の田畑(主に畑)は祖母が管理してました。

祖母はおばあちゃんと呼ばれたくないので、みんなから「あーちゃん」と呼ばれてました。

家に初めてお邪魔した時、
あーちゃんが外で出迎えてくれました。

腰を曲げながら、大きく手を振るあーちゃんは、恋愛バラエティ番組「あいのり」のTシャツを着てました。

あーちゃんと名乗る80歳の女子が
あいのりのTシャツを着て手を降ってるのが
車窓から見えました。

吹き出さないよう下唇を噛んで挨拶したのが、あーちゃんとの出会いです。


あーちゃんは毎日、太陽に向かって手を合わせ、感謝をします。

僕らが東京に戻る時、夜だろうと、雨だろうと畑から野菜をとってきて持たせてくれます。

おじいちゃんが大好きでいつも二人で畑仕事をし、縁側でお互いの髪を散髪します。


あーちゃんの話で好きなのが
ある日、お義姉さんが帰省した時にあーちゃんが「ナプキン持ってないけ?」と聞いてきたそうです。

「あるけど、どうしたの?」と義姉が聞くと
おじいちゃんのこと考えてたら
(ご存命、いつも一緒)
女の子の日が再び来たそうです。

気持ちが大きければ再びくるんです。
あーちゃんの愛の大きさもすごいですが、
そう思わせるおじいちゃんの魅力もすごい。

僕ら夫婦の目標です。

あーちゃんは昨年天国に行きました。
弔問の方が沢山訪れ、
お経を読むお坊さんが涙ぐみながら、あーちゃんとの思い出を話してました。

本当に町の人に愛されていた。

あーちゃんがおじいちゃんと大切にしてきた田畑を後世にと思い、いつも田植えは手伝ってましたが、今年は一年通して田を勉強しようと!まずうねりました。

作業をしてると、どこからともなく青鷺が来てトラクターの後ろをゆっくりついてきました。


まるであーちゃんが腰に手をやり、ゆっくりと歩くように!
心配性のあーちゃんが見に来てくれたんだねと妻と話しました。

作業が終わり、鷺になったあーちゃんに近づいてみると、一定の感覚を開け、すぐさま飛び立ちました。

鷺は鷺でした。
田をうねると土が掘り起こされ、虫を効率的に食べられるので来るそうです。

少し冷めました。

終わりに、田が見渡せる丘にあるお墓を掃除しました。
お墓と太陽に手を合わせ帰りました。