中島先生回なのでめちゃくちゃ長いです。
もう見る前からドキドキ……




5年前に発見された飴玉を口に詰め込まれた女子の遺体、それと同じ遺体が発見されます。


その報道を見て、机の中の飴玉の包み紙を取り出す中島先生。
5年前の目撃現場がフラッシュバックし、頭を何度も何度も打ちつけます。
リアルな演技が痛々しくてすごい……。
報道では飴玉が関わってると一言も言っていないのに、何故中島先生は関わりがあると分かるのだろう……と中島先生への不信感も募る一方( i _ i )


警察は今回も中島先生にプロファイリングを依頼します。
PTSD(強い精神的衝撃を受けることが原因でおきる精神障害)など辛い思いがあるなら無理に引き受けなくてもいい、という比奈子(波瑠ちゃん)に「心配してくれたんですね、藤堂さん。こないだの、キャンディを見た僕の反応で」と、少し微笑む中島先生。そして発見した当時のことを語りだします。

大学院に進んだばかりで、引っ越し先を探していた中島先生。その最中に第一発見者となってしまいます。語学部だった中島先生はその事がきっかけで今の職に至ったらしいです。
「彼らはその間、どんな思いで生きているのかな。犯した罪に震えながら日々を過ごしているのか、それとも、まるで舌の上で飴を転がすように、殺人の余韻を味わいながら静かに次の犯行を夢見てるのか」
そう呟く中島先生の目はどこか虚ろ……

そして腕時計に触れながら「やっとそれが分かる。待ってたんです僕は。5年前の悪夢と向き合うのを」と言います。
比奈子は、5年前の事件についてプロファイリングした事はあるかと問います。それに対して「ありませんね。プロファイリングは」と答える中島先生。少し噛んでるし、何か隠してるみたいな様子。彼は逃げるようにその場を去ります。



中島先生はハヤサカクリニックを訪れてきた男の患者に出会います。その男性はどこか虚ろな様子で「指示を…」と答えます。

そこへ早坂院長が帰ってくるわけですが、慌てて"久保"と呼ばれる彼を回収する。その二人の様子に不思議な顔の中島先生。


石神先生の元を訪れていた比奈子は、彼女から中島先生が関わった論文を受け取ります。
題名は「ネグレストによる脳発達への影響」。
幼少時に愛情を与えられなかったことで犯罪を犯してしまう人間の脳を、外側からいじることで治療できないか?という研究論文なんだそう。未発表。
書いたのは当時大学の講師をしていた早坂院長。そして中島先生(当時は帝都大学工学部電子工学科、学科的に腕時計にも詳しそう)。
研究は感情操作のために生きた人間をいじる、という倫理的な問題で頓挫したそう。


そこへ東海林(横山くん)から電話がきます。亡くなった女子は自殺志願があり病院に通っていたわけですが、その病院こそハヤサカメンタルクリニックだったと。


その日、比奈子は五年前の事件現場の夢を見ます。そこには中島先生の姿が。
「あぁ、藤堂さん。あなたの記憶も、よくこの場所に?」と問います。今まで頭に入れた未解決事件の中で一番興味深いと答える比奈子。


「では、この部屋の匂いも音もわからないんですね。僕は全てを記憶してる。この部屋に満ちた、血とキャンディの甘い香りとが混じり合った匂いも、風に吹かれたキャンディの包み紙が、カサカサ動く音も。彼女の死体から聞こえ続ける、叫びも。」
最後の一言が分からず、「叫び…?」と呟く比奈子。



中島先生は「感情の無いあなたには聞こえない」と冷たく言い放ちます。
「5年経った今も、彼女の叫びは僕の手元にある」


そして何かに気づいたように「やっときた」と振り返る先生。そこには犯人と思しき姿が。
先生は腕時計を構えます。


「退いてください藤堂さん」、そう言い腕時計に触れながら犯人に迫る中島先生、その状況に焦る比奈子。
そこで夢は終わります。

この夢のシーン、ベランダからの光の差し込みや桜のように舞う飴の包み紙、そしてどこか冷たい中島先生のどれも不気味で美しくて、すごくすごく好きなシーンです。


比奈子と東海林は早坂院長の元を訪れます。
問い詰めると、高らかに語り出す院長。
院長は犯罪のない世界を目指していて、テレビで言っていた犯罪者達の自殺「神の裁き」を世間に広めることで犯罪の抑制としている。
そしてもう一つ。中島先生はプロファイリングではなく正確には「潜入」をしていたということ。犯人と精神を同一させ、より鮮明に精神状態を知る。それが「潜入」でした。



そのあと中島先生に電話をかける比奈子。ですが繋がりません。
帰宅すると折り返し中島先生から電話がきました。どこかのアパートのベランダにいる中島先生。


ハヤサカクリニックの元に行ったこと、そして中島先生からも話を聞きたいと言う比奈子。今日は忙しいから無理と断る中島先生。
「5年前の事件の犯人に、潜入されたことは?」と問う比奈子。空気が一瞬止まります。
それは危険な行為ではないかと問う比奈子に同意する中島先生。
「でも……」と何かを続けようとして、言い止まります。
そして、比奈子は昨日中島先生の夢を見たと言います。「ステキな偶然ですね」と答える中島先生。1話で比奈子が中島先生に言った言葉です。
そして彼女に「さよなら」と告げます。

部屋に戻る中島先生。そこにはハヤサカクリニックを訪れていた男性、久保が居ました。目に光はなく、どこかを見つめて座っています。彼に「お待たせ」と冷たく見つめる中島先生……。


翌日、中島先生は早坂院長に電話をします。
そして、久保が5年前の飴玉事件の犯人であること、院長が久保を一年前から確保していたことを知っている中島先生。


院長の目的は、久保を使って「神の裁き」をより世間に印象づけること。その為に今回の事件の女の子を用意した院長。
それに対して貴方は殺人に加担した、僕に対する裏切りですと冷たく言い放ちます。
そして、その裏切りに対する報復として久保を始末すると告げる中島先生。
院長は焦って飛び出します。

向かった先は久保のアパート。到着すると中島先生から電話がきます。
支持された和室の押入れから出てきたのは大量の飴玉。驚いていると、突然現れた久保に早坂院長は刺されてしまいます。
電話からは、一晩かけて久保に再潜入し、早坂先生が一年かけて久保に書き込んだものを自分のものにした、と告げる中島先生。その声を聞きながら早坂院長は息耐えます。


一方、中島先生に支持された場所に向かう比奈子。そこには、拘置所で中島先生と一緒にいた刑務官がいました。
中島先生から全てを話すよう託されていた刑務官。
早坂院長は罪を憎んで人を憎まずという思いに偏ってしまい、許されない罪を犯した人間の救済も求め始めていました。そして、研究で生み出した腫瘍をすべての人間に埋め込み、犯罪を無くそうとした。
一方で中島先生にとってのそれは、あくまで復讐の"モノ"でした。その腫瘍を生み出すものの設計に実際に携わった中島先生は、殺人を犯した者に使用すれば、必ず死ぬということを知っていました。
そして、頓挫したはずの研究は、実は完成されていたと告げられます。強力な電磁波により脳に腫瘍を生み出すもの、中島先生がいつも持っている腕時計でした。
「裁いたのは、神ではなく、中島先生です」
そう告げられ、愕然とする比奈子。
そして、中島先生は今日全てを終わらすと言ったそうです。それは、一番巡り会いたかった5年前の犯人、久保を見つけたから。


5年前の事件の部屋で虚ろな目で飴玉を剥く中島先生が映ります。
比奈子は急いでその現場に向かう。



中島先生は、久保になぜ殺した、と静かに問います。
久保の動機は「人間の解剖をしてみたかった」。そう熱烈に答える久保に、中島先生は静かに時計を向けます。
そこへ比奈子が駆け込んできます。
裏切ったのか!?と焦る久保に「殺せばいいだろ」と言い放つ中島先生。

そこで久保の異変がおきます。
自分を痛めつけ始める久保。その様子を見て急いで止めようとする比奈子を中島先生が全力で阻みます。


「ちゃんと見ててよ!殺人衝動が自分に向く瞬間だよ!興味深いでしょ?」と興奮したように言う中島先生。久保の様子を比奈子に見せつけようとします。
腕時計に気づく比奈子。殺人の快楽を自分に向けるスイッチだと中島先生は告げます。
「僕は、犯罪者達の心に潜入を続けて、彼らの闇に触れてきた。その、救いようのない、魂の軋みと、その中に閉じ込められた被害者達の叫びを聞き続けてきた!そしたらね、藤堂さん。僕の中に、ある感情が生まれたんだよ。…奴らを殺してやりたい。被害者達と同じ苦しみを味あわせてやりたい」興奮した口調でそう続けます。
「その死に様を見ることに、僕は悦びを感じ始めていた。僕にもあったんです、そのスイッチが」

久保は自分を刺してしてしまいます。
そしてそれを見つめながら中島先生は呟きます。
「自殺じゃない、僕が殺したんだ。僕は……殺人者だ」



窓を開け放つ中島先生。飴玉の包み紙が宙を舞います。
「藤堂さん。貴方の内面がどうであれ、その手はまだ汚れていない。どうか、その事を忘れないで」



「さよなら、藤堂さん」
自分の頭に銃口を向ける中島先生。
瞬間、銃声と共にその銃が飛ばされてしまいます。

窓の向こうには、銃を構える東海林(横山くん)。そして駆け込んできた班の人々に「中島先生がやりました」と告げる比奈子。

連行される中島先生を呼び止める比奈子。
「不思議です、私は、あなたのその顔だけは見たくなかった。そう、思うべきだと」

「思うべき……なんですねやっぱり」
自嘲するような、でもそう思ってもらえてどこか救われたような、そんな笑みを浮かべて、中島先生は去って行きました。







……いや〜〜分厚い中島先生回だった。
中島先生の思惑や感情、そしてスイッチが入った瞬間が怒涛のように流れてきて鳥肌が止まりませんでした……。
何より、中島先生を演じきる林くんが凄い。
興奮する様だったり、冷たく変わる様だったり、単に表現するには難しい中島先生を自身を削り取るように演じる様子は見ていて感嘆するばかりでした。

最終回みたいな5話だったけど、次回から中島先生はどんな立ち位置になるんだろう?