遣都くんがゲイ役を演じている作品として話題に上がってる「悪の教典」。


遣都くん演じる前島くんは、正直根っからのゲイと言うより、憧れた人がたまたま久米先生という男の人で、ジェンダーとか偏見とか周りの目とかそういう事よりも、自分が抱いたその気持ちにとても素直になれる、そんな子なんじゃないかと思います。

正直原作は読んでいないので、本家前島くんがどのような形の恋心を久米先生に抱いていたかは分からないですが、少なくとも映画だけの前島くんを見るとそんな印象がありました。


そして何より、前島くんは純粋無垢で垢抜けてない、まだ幼心を持っていそうな、そんな生徒。
撮影当時遣都くんはとうに高校卒業していたわけですが、あまり台詞がない役の中で、雰囲気だけでもそれを表現している遣都くんの演技力には脱帽するばかりです。



憧れる先生との待ち合わせシーン。このあどけなさ、、、
少し青みがかった色みも合わさって、その純情の美しさに惹きつけられてしまいます。


美術部の前島くん。
白を基調とする道具が多く、差し込む日の光も相まって、すごく綺麗で大好きなワンシーンです。


久米先生の家へ初めてお招きされたシーン。
緊張と嬉しさが混じったその表情にこちらまでドキドキ、、、、


この後の前島くんの濡れ場はとってもえっちです、、、
音もですが、何より遣都くんの反応がすごくすごくリアル。
シーンこそ短いのですが、濡れ場なのに穢れを感じさせない雰囲気もまた凄いなあと感心してしまいます。



後半は彼の担任の先生ことハスミンによるクラスメイト全員対象の殺戮ショーへと変貌するのですが、皆がパニックになり、泣き、逃げ、叫ぶ中でも前島くんは一人で震える女子生徒のことを凄く気にかけていて。
ハスミンが登場した時も全力でその子の元へ駆け寄る彼は、命からがらそれでも他人を思い動ける強さを持っている、そんな子です。

でも死に際は本当に絶望的で……。
ハスミンは前島くんと久米先生の関係を利用して、久米先生に犯行の全てを擦りつけるストーリーを描いていました。
殺される前にその事を告げられる前島くん。
しかも、ハスミンが久米先生の靴を履いている時点で、先生は殺されてしまったんだと察していたことでしょう。
撃たれ、それでも立ち上がる前島くんの勇姿をへし折るかのように首を掻き切られるそのシーンは、誰よりもグロテスクな殺され方でした。


結果としてハスミンの悪行(とかいうレベルじゃない)はばれ、久米先生が罪を被ることはなかったものの、それでも生き絶えその後の行方を知ることはない前島くんの事を思うと、悲しくて悲しくて仕方がない。


例え作品の一人物だとしても、どんな境遇であったとしてもせめてその人物の終わりは絶望であって欲しくないと思いを持っている身としては、この作品は「嫌い」です。
でも、あくまでそれは一視聴者のエゴの話。
遣都くんの演技力から前島くんの美しさ、一筋縄ではいかない個性際立つ生徒達と先生達全ての登場人物の魅力、そして容赦ない殺人を描いたサイコホラー作品として素晴らしい作品だと思います。


耐久のある方は、是非。