いよいよ最終巻です。
8話。
比奈子(波瑠)は、東海林(横山くん)に正体がバレたことを中島先生に伝えます。
彼女は、東海林に警察を辞めろと言われており、警察を辞めると中島先生にも会えなくなるからと別れの挨拶をしに来たのです。
これからどうするのかと問う中島先生に、分からないと答える比奈子。それでも、沢山の殺人者を見て、自分は何者かと言う答えは出たと言います。それは、自分も一線を超えて殺人を犯す可能性がある人間だと言うこと。
「答えなんて出ていませんよ、まだ何も」
そう制する中島先生。そして、ナイフを棄てるよう促します。
ですが、比奈子に「そちら側」と言われてしまい言葉を失う中島先生。そして、それが私らしさなら仕方がないと言い、立ち去ろうとする比奈子。
比奈子を止めようとする中島先生。
ですがその想いは伝わらず、手はほどかれてしまいます。
「さようなら」
そう告げて比奈子は部屋から出て行きます。
後日、上司から中島先生の元に行けと言われる比奈子。
しかし彼女は断ります。代わりに来たのが東海林。
迎え入れるも「別に来たくて来たわけじゃねーよ」と言い放つ東海林。畳み掛けるようにお前は殺人者だと面と向かって言ってしまいます。それを肯定する中島先生。
「ですが、藤堂さんは違います」
まだ殺人には至っていない彼女のことを、東海林に訴えかける中島先生。
「人はなぜ、人を殺すんでしょうか」
言葉に詰まる東海林。
「僕には、警察や裁判所が認定する動機や育成環境が、殺人に至る決定的な要因だとは、どうしても思えないんです」
「じゃあどこにあるんだよ。人殺しとそうじゃないやつの差は」
「無いと思う。動機があろうとなかろうと、どんな生い立ちや生活環境を持っていようと、その状況にさえなれば、人は誰しもが、殺人を犯す可能性があるんです」
その言葉は言い訳にしか聞こえないと東海林は怒りを露わにします。その理屈だと誰しもが人殺しを止まれたのでは無いかと。
その言葉を肯定する中島先生。
「だからこそ、東海林さんが、藤堂さんを助けてあげてほしい。…多分、僕にはそれが無理です。万が一、彼女が人を殺してしまっても、僕は彼女に寄り添うことかできてしまうと思うから。」
自嘲気味に笑う中島先生。
「一緒に地獄に堕ちても構わない。僕は抱いているその気持ちは、そう言う種類のものなんでしょうね」
ホテルに着いた東海林は中島先生とのやり取りを思い返します。
ナイフを取ってほしいと、それは彼女にとって呪いのようなものだと言う中島先生。
「自分にも人を殺せるのではないかという呪い、それが自分らしさだと思わせる呪いです」と先生は続けます。
それは、自分が持っていた腕時計のようだと。
彼女は人を殺したいと思っていない、それでも殺さない自分かどうかを確かめたいと思っている、と中島先生は訴えます。
事件の資料を読み込んでいた中島先生は、あることを見つけ出します。
殺した場所、殺した数を合わせると、「とうどうひなこ」となる事に。
最終話。
中島先生は犯人からのメッセージをメールで伝えます。
そして、比奈子に"潜入"を試みます。
石神先生の命令で、比奈子は再び中島先生の元を訪れます。
今回の事件は、比奈子にナイフを渡した人物、真壁が起こしたものなのですが、彼女が現れた理由が自分が殺人を起こしてないからだと話す比奈子。
母親の死がなければ、自分は真壁の期待通りに父親を殺していたはずだと語ります。
それは違う、と制する先生。そして、比奈子に潜入した事を告げます。
答えを知りたがる比奈子に「人間に答えなんてありませんよ」と返します。「それに、安易な答えも求めることはできない」
比奈子の自分自身を知りたいという想いは、何かに縛られた結果ではないかと話します。
しかし、それは父親からの怪物と呼ばれた事や、真壁からのナイフの存在は、しっくりこなかったと中島先生。
比奈子は、それは母の言葉ではないかと言います。「あなたはきっと、正しく生きていくことができるから」という言葉。しかし、彼女にはそれが理解できませんでした。
「藤堂さん、お母さんはあなたを愛していたし、あなたもお母さんを愛していたんですね」
愛、について比奈子は分かりません。しかし先生は続けます。
「あなたはただ、お母さんのその言葉を証明したかっただけだ」
刑事になり殺人犯と対峙したのは、それでも人を殺さない自分なのかどうかを確かめ、証明したかったからだと中島先生は言います。
事件解決後、比奈子は刑事を続ける事にしたとの旨を中島先生に伝えます。
良かった〜〜〜〜〜ッ(;;)!!!!!!
話が進むにすれ、より一層比奈子の深層心理に迫るシーンを任された中島先生だけど、「心」を表すように、白さを纏った先生の美しさたるや最高でした……。
中島先生の想いは叶い比奈子は人を殺めず刑事も続ける事になったわけだけど、中島先生は今後もずっと比奈子を想い、でも自分はこちら側の人間であるからこそ寄り添ってはいけないというジレンマの中で生きていくのだろうか……。