「極上の日常」をテーマに、 毎日の暮らしを豊かにするアイテムを厳選してお届けしている小野ふとん店。ドイツやパリで定期的に開かれるテキスタイルや雑貨の見本市にも足を運び、自分の目で確かめ、 本当に納得できるものをセレクトしています。 あふれるほどのものの中から宝物を掘り出すような 海外仕入れには、 楽しい出会いもあれば数々の失敗や苦労も。今回はその模様を取材しました。


どうして海外で買い付け? その理由をお話します。
毎年、行くたびに新しい出会いが待っているという海外仕入れ。今年の1月、ヨーロッパへの出発直前に小野社長に話を聞きました。
ー小野ふとん店として海外仕入れに出かけるようになったのはいつからですか。
僕自身が初めて行ったのは2015年の1月です。最初に海外の商品を仕入れに行ったのはオーストリアとドイツとフランスでした。
ー海外での仕入れを始めたきっかけは何ですか。
これからの時代のふとん屋さんは、国内はもちろん、海外から良いものをどんどん仕入れて提供していくようになるだろうと感じていたところ、当時、金沢にあるふとん屋さんがすでにそうしたスタンスで海外での仕入れを手掛けられていたので、こちらからお願いして連れて行ってもらいました。
ー買い付けの様子を見て学びたいと?
そのつもりで同行したのですが、一緒に行ったみんなに「せっかく来たのに何も買わないの?」ってすごいプレッシャーをかけられて(笑)。なので、よくわからないままに羽毛ふとんと馬毛を使った寝具を買ったのを覚えています。
ー記念すべき初の買い付け。売れ行きはいかがでしたか。
日本では作られていないような商品で、手も込んでいてクオリティは高いけど、売れ行きはいまひとつ…実はまだ少し在庫が残っています。最初から海外仕入れの難しさを痛感しました。
ーそれでも世界中のモノが集まる場で欲しいものを探すってすごく楽しそうです。
いやいや、想像よりずっと大変ですよ。特に大企業に比べると小野ふとん店は仕入れ量が少ないので、取引できる会社も限られますし、初めから相手にしてもらえないことも多くて…。その代わり、クラフトマンシップのある海外の小さなものづくり企業と付き合うことができるんです。そこは我々の利点だと気づきました。
ー大企業に対応できない小さな作り手とマッチするんですね。海外仕入れの理由は他にもありますか。
やはりデザイン性に加えて、海外にしかない稀少な商品に出会えることですね。国内だけでなく世界中を相手にしているからこそ、とても日本の企業では作らないようなニッチな商品を扱っているところがあるんです。
ー単純にセンスのいいものがあるというだけでなくて、いろんな面で商品の幅が広がるんですね。
確かに日本にはないデザインがたくさんあって、さすがだなと思う反面、今では海外のモノの方が絶対にいいとは思わなくなりました。世界に視野を広げたことで日本のモノの良さを再確認できたのでしょうね。国内外に関わらず良いものを選べるようになってきたかなと思います。
ー10年続けてきたからこその実感ですね。
そうですね。でも、僕らはまだまだ経験が浅いので、いまだに失敗もしますし、現地でドキドキすることもしょっちゅうです。
ただ、最初の頃は発注の手続きや代金の振り込みなども先輩や仲介の会社に頼り切りだったのが、今ではすべて自分たちでできるようになりました。先輩方の姿に学ばせてもらった上で、自分たちの独自のやり方やルートを築くことができました。
ー今年も1月にヨーロッパに出かけられます。今回のお目当ては?
ふとんの側生地やカバーを探す予定です。
生地をメインに他にも何かいいものを見つけてきたいです。
ー次はどんなものが届くかと楽しみに待っているお客様もたくさんいらっしゃるでしょうね。
まさにそれが僕たちの目標です。毎年ギャッベの新柄を待っていてくださるように、ヨーロッパから届く新しいアイテムも楽しみにしていてください!