ジャニーズ事務所創業者で前社長のジャニー喜多川氏(2019年に死去)の性加害問題をめぐり、5月14日、事務所の現社長・藤島ジュリー景子氏が謝罪動画を公開した。合わせて質疑応答の文書も公開され、業界内外で注目を集めているが、「SNS界隈では被害に遭ったタレントは置いてけぼりのような“場外乱闘”が繰り広げられている」(芸能ライター)ようだ。
ジャニー氏に関しては生前の1980年代から“所属タレントへの性加害疑惑”が取り沙汰されてきたが、今年3月7日に英国公共放送・BBCが『Predator: The Secret Scandal of J-Pop』と題したドキュメンタリー番組で、同氏の疑惑と、日本のほとんどのメディアがこれに沈黙を貫いてきたことを追及。その後、4月12日には元ジャニーズJr.のカウアン・オカモト(当時は「岡本カウアン」名義で活動)が記者会見を開き、ジャニー氏による性被害を訴えた。
「また、以前からジャニー氏の性加害問題を報じていた『週刊文春』(文藝春秋)は今回の一連の動きを取り上げつつ、ほかの被害者たちのインタビュー記事を次々に掲載。その結果、ついにジャニーズ側が公式見解を発表する展開となりました」(同)
ジュリー氏は動画内で計4回、深々と頭を下げて謝罪したほか、「各方面から頂戴したご質問への回答」という文書も公開。ジャニー氏の行為については「知りませんでした」としながらも、かつてジャニー氏と、その姉で名誉会長を務めたジュリー氏の母親、故・メリー喜多川氏のツートップ体制で事務所運営が行われていた「異常性」を認識し、「ただただ情けなく、深く後悔しております」とも述べている。
「同発表を受け、SNS上にはジャニー氏本人や事務所、そしてこの問題をスルーしてきたメディアへの批判も飛び交っていますが、バッシング対象はさまざま。中には『ジャニーズ解体』を希望している人もいて、その層はSMAP、もしくはKing&Prince(以下、キンプリ)のファンが多い印象です」(同)
SMAPは2016年12月に解散しており、キンプリも今月22日をもって平野紫耀、岸優太、神宮寺勇太が脱退すると決まっている。
「SMAPやキンプリの分裂に関しては、もともと運営サイドを批判するファンが多かったこともあり、今回もまた、やり場のない怒りを事務所にぶつけているものとみられます」(同)
一方、そんな事務所批判勢にイラ立つ層が、カウアン在籍時にJr.を担当していた元SMAPマネジャー・飯島三智氏にこそ責任があると主張する向きもある。
「昨年10月をもってジャニーズを離れたジャニーズアイランド前社長・滝沢秀明氏も“Jr.統括”という立場だったので、同様に責められてもおかしくないのですが、SNS上では現状、飯島氏を批判する声のほうが圧倒的に大きい。そのほか、カウアンや『文春』のせいで騒動が拡大したと批判する人もいたりと、SNS上は大荒れ状態。ジャニー氏の性加害という、問題の本質がそっちのけにされている面があります」(同)
議論が過熱するのも無理はないが、性被害に遭ったタレントたちを蚊帳の外に追いやることがないよう祈りたい。