最近ちょっと気になっている情報があります。それは――高コレステロール治療薬「スタチン」が、前立腺がんに効果があるかもしれないという話です。ご存じでしたか?




スタチンといえば、通常は高コレステロール血症の治療薬。心筋梗塞や脳梗塞の予防薬として広く使われていますが、ここに来て「もしかしたらがんにも効くのでは?」という見方が出てきているんです。


もちろん、まだ明確な因果関係や確かなエビデンスはそろっていません。ただ、コレステロールはアンドロゲン(男性ホルモン)の前駆体であり、このアンドロゲンが前立腺がんの成長に深く関与していることを考えると、理論的にはつながりがあるようにも思えます。


実は私自身、総コレステロール値が200を超えているため、主治医にスタチンを使えるかどうか聞いてみたことがあります。ところが――


  • コレステロール値200超くらいでは処方は難しい
  • 今服用中のイクスタンジ(前立腺がん治療薬)の副作用でコレステロールが上がっている可能性がある
  • イクスタンジがスタチンの効果を相殺する
  • スタチンががんに効くという医学的エビデンスは現時点で不十分



…という理由で、スタチンの使用は却下されてしまいました。


どうやら、アンドロゲンの生成を抑える可能性があるスタチンと、アンドロゲン受容体をブロックするイクスタンジは、薬理的に相性がよくないのかもしれませんね。


もし本当にスタチンにがん抑制効果があるのなら、イクスタンジより身体への負担も少ないかもしれないのに…と少し残念な気もします。ただ、今はまだその効果を確かめる段階ではないようです。


ということで、今のところは様子見。でも、スタチンのこの話題は頭の片隅にしっかりとメモしておこうと思っています。もしかしたら、数年後には治療の選択肢として現れてくるかもしれませんね。