5月9日 13時

 

もう覚悟を決めて手術台の上にいます。

 

きっと手術が終われば何事も無かったように呑気に

目覚めるんだろうな。

 

4時間から5時間って言ってたので6時頃に目がさめる

のかな。

 

そんな淡い期待を持ちつつ 麻酔によって一気に意識

を失った。

 

何時間経ったのだろう。。。

 

目覚めた。記憶が徐々に戻ってきた。

 

そうだ手術したんだ。ということは

もう6時頃?

 

妻が私をのぞき込んでいる。

 

もう9時よ

 

 

 

えっ?? 

 

手術8時間?  何があったん?  そういえば体中に違和感がある。

下半身動かない  

体からチューブが4本何かにつながっている

口が乾いて喋れない

腹部の痛み

 

ちょっと想像してたのと違う。

楽観的過ぎたのか?

 

大袈裟かもしれないけど地獄に行けばこんな苦しみかと

思うくらい辛い…痛い…

 

寝返りも打てず、背中や足が痛い

 

人間って本当にこうなると弱いものだと痛感した。

一刻も早くこの苦しみから解放されたい。

 

無理言って妻に病室に泊まってもらう事にした。

看護師さんが定期的に見に来てくれるとはいえ

一晩中この状態が続くのは恐怖でしか無かった。

 

喉が乾くが水は飲むなと言われている。妻に唇を濡らして

もらい少し喋れるようになる。

 

床擦れが痛い為、定期的に動かない足を少し動かしてもらう。

 

長い夜は始まったばかり。