ボルボV50のお客様から、信号待ちでエンストしたと連絡がありました。すぐに再始動が出来てその後は何事もなく普通で、エンジンチェックランプなどの警告灯も点灯しておらず、水温計も安定しているとのことでした。
早速、入庫していただき各部点検とコンピューター診断を行いましたが特に異常は見当たりませんでした。しかし急なエンストは怖いですし何より危険なのでもう少しお時間をいただいて様子を見ることにしました。1週間ほどお預かりして様子を見ましたが特にエンスト症状も起こらず試運転でも調子は悪いようには思えません。でもこのままお返しするわけにもいきませんが、この車の為だけに何時間も試運転をするわけにもいきません。そこで私が販売車両仕入れの為に行く片道1時間ほどのオークション会場まで試運転させていただく許可をお客様に相談したところ快くお許しをいただきましたので、そこまでしても症状が現れなければ一度お客様にお返しすることにしました。
いつもお客様が使用している状況に近づける為、一般道での試運転をしました。往路1時間15分位ですが、異常な感じは何事も起こらずでした。復路は通勤時間に重なり渋滞するため往路より少し長い時間試運転が出来そうです。復路スタート25分位のところでエンジンチェックランプ点灯。やったー!これで手掛かりがつかめるかも!
早速、コンピューター診断を実施。燃料圧力センサー系統の故障コードが入力されていました。
そこからさらに診断を進めていきます。
先ずは、エンジンチェックランプが点灯した時点の各部の状況を確認します。
車速43㎞/h
エンジン冷却水温93°
エンジン回転数803rpm
ん---!燃圧564kPaありえなく高い数値
正常な数値は380kPa前後
赤で囲んだフューエルプレッシャーセンサーの出力数値が実際の燃圧より高い数値を出力してしまう時があるようです。
結果:
実際の燃料圧力より高い数値が間違って出力されてしまうことにより、燃料が多く噴射されてしまうとエンジンコンピューターが判断して燃料噴射量を絞ってしまい、燃料不足気味になってエンストしたとおもわれます。