【10月も暖かい月でした。10月26日まで夏日がみられましたが、秋なので朝・晩の寒暖の差が著明で、晴れた日は、10℃以上の差があります。大陸の移動性高気圧は、乾燥した空気を運んできます。そのため肌荒れの季節です。今冬の気温は低温が予想され、特に西日本でひどいようです】
雨10月の初旬は、9月に引き続き雨模様でしたが、幸い道灌祭りの行われた10月1日、2日は雨も降らず、様々なパレードが予定通り行われました。翌週の8日(土)は多くの幼稚園が運動会を予定していましたが、あいにくの天気で、延期になった所が多かったようです。
それでも中旬になってようやく移動性の高気圧が日本上空を通過するようになり、秋晴れの日も見られるようになりました今秋の移動性高気圧は北日本を通過するので、関東では北東の風が吹き、関東地方だけ曇りがちの日が多く、すっきりとした秋晴れの少ない10月でした。気温は高い傾向で、特に日差しがある日は、25℃以上の夏日にもなりました。10月26日が最後の夏日ですが、過去に11月に夏日になった年もあるそうです。
翌27日は富士山の初冠雪が観測され、観測史上最も遅い1956年に並ぶ遅さだったようです。初冠雪が遅い冬は寒い冬が多いようです。11月からは気温も下がってくると予想されています。
一方、日本の南の海上では、相変わらず海水温が高い状態が続き、台風も相変わらず発生しています。最近はほとんど西に向かっているので、日本に近づくことは無いのですが、フィリピンや台湾では大きな被害となっていました。地球の温暖化のためか、この時期の台風でも勢力が強く、大きな被害が出ていました
被害と言えば、熊本地震から半年が経ちましたが、今度は鳥取で大きな地震がありました。5年前の東日本大震災や半年前の熊本地震などで、日本が歪んでいることも原因の1つのようです。相模トラフが近くを通る伊勢原でも気を付けないと行けません。首都直下型地震の起こる確率も高いとよく報道されています。熊本に行った人の話ですが、高速道路が波打っていたそうです。
現代の生活で、電気や水道が無い生活は考えられません。東日本大震災の時、伊勢原でも停電となり、私自身も困った記憶があります。幸い半日ほどで回復しましたが、食事や暖房の問題で窮したことを覚えています。この状態が何日も続くことは想像できません。被災地では避難所で生活したり車で生活している人が報道されていますが、現実は相当大変な状況と思います。日頃から備える気持ちをもっておきましょう
秋晴れの日は、朝・晩の気温差が激しくなる季節です。1日の気温差が10℃以上になります。伊勢原市は、フルーツのおいしい所なので、朝の気温が低くなり、東京よりさらに気温差が大きい場所です。朝が冷え込んでくると鼻水・咳が出やすくなります。大陸からの移動性高気圧は、乾燥した空気を運んできますので、湿度が下がります。それもまた咳・鼻水の原因になります。一方、皮膚も乾燥します。特に乳児は、皮膚が薄いので、急に乾燥してきます。
実際、このところ乳児の肌のトラブルの相談が増えてきました。毎号書きますが、皮膚のバリアを維持することが、様々なアレルギーの発症を予防すると言われています。特に乳児期は、皮膚が薄く、皮脂の分泌が少ないので肌が乾燥しやすく、皮膚のバリアが破綻しやす年齢です。皮膚が乾燥しバリアが機能障害となると様々なアレルゲンが皮膚から侵入しやすくなり、食物アレルギーやダニアレルギーとなります。スキンケアがとても大切な季節になってきました。春までは乾燥の季節です。
今冬は、昨シーズンの暖冬に反して寒くなると予想されています特に西日本では、低温になると予想されています。寒い冬は、暖房をよく使うので、肌が乾燥しやすくなります。乾燥好むウィルス、インフルエンザやノロウィルスなどの感染症が流行することが予想されますので、うがい・手洗いが大切になります。咳エチケットなどマスクの着用も大切です。睡眠や栄養も大切ですので、早寝早起き、しっかりと朝食を取り、活動的な生活ができるように心がけましょう
《10月も溶連菌感染症の流行が続いています。年齢を問わず流行していますので注意しましょう。一方大きいお子さんのマイコプラズマ感染症と乳幼児のRSウィルス感染症も相変わらず流行しています。感染性腸炎が多くなってきました。流行性耳下腺炎(おたふく)も気になります。》
10月も相変わらず溶連菌感染症とマイコプラズマ感染症が目立っていました。特に溶連菌感染症は、幼児でもみられ、大人も含め様々な年齢でみられています。両親が保菌者で、幼児に感染させていることもありますので注意しましょう。保育園で流行している所もありますので、熱とのどが痛そうな場合は受診しましょう。
一方、マイコプラズマ感染症も3歳位の幼児から大人までみられています。家族内感染している家もあります。咳が長引いて、熱が続く時は肺炎まで進行していることも多いので、マイコプラズマを疑い治療する必要があります。これからも流行の季節なので注意しましょう。
また、乳児が罹ると重症になりやすいRSウィルス感染症が、さらに流行の気配があります。保育園などではかなり流行しています。鼻水と軽い咳程度から激しい咳と喘鳴まで聞こえる重症型まで程度は様々です。
最近は生後1,2ヶ月の乳児の受診が続いています。幼児の軽い鼻水が、実はRSウィルス感染で感染してしまう例が多くなっています。11月はRSウィルス感染症の最も流行する季節ですので、乳児が咳・鼻水で哺乳が苦しそうな場合は、受診しましょう。
前述のように、寒暖の差で症状が出ている場合もあります。区別はつきにくいのですが、哺乳状態が大切です。しっかり飲めていれば心配ない例が多いようです。ただし、生後3ヶ月以下のお子さんは受診を勧めます。
嘔吐・下痢の感染性腸炎が、かなり目立ってきました。例年、11月はノロウィルスが流行する季節です。かつて小学校で学級閉鎖が出たこともありました。手洗い・うがいが本当に大切な季節です。
寒暖の差や空気の乾燥による鼻水と秋の花粉、さらに朝の気温の低下と乾燥によりダニが死骸となり、そのアレルギー反応により鼻水が出る季節です。このところ寒暖の差と乾燥で一層症状が激しくなっています。しかも、10月に入り背の高い黄色の花が咲く、アキノキリン草(別名セイタカアワダチソウ)が飛散してきました。
この花粉はブタクサと同じキク科の花粉です。あちらこちらで群生しています。年々患者も増えています。一方、11月の暖かい日にはスギ花粉も飛散します。鼻にとって辛い季節です。乾燥した鼻の粘膜で花粉やダニの死骸を吸ってしまうと症状はさらに悪化し、鼻づまりもひどくなりますので、部屋の加湿も大切です。辛い人はご相談下さい。
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<執筆者>
おのぼり小児科アレルギー科クリニック院長尾登 誠
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