Q:年長児ですが、日本脳炎ワクチンをしていませんが、した方がよいのでしょうか?
A;日本脳炎の患者報告数は、1950年代には小児を中心に年間5000人余りと記録に残っています。ワクチン接種が始まり、減少を続け、最近では年間数件に落ち着いてきています。
ワクチンの効力による結果です。
2005年5月にワクチン接種後に重症の急性散在性能脊髄炎を発症した症例があり(実はこの副反応は、他のワクチン接種でも起こっていたのですが、当時の日本脳炎ワクチンが、ネズミの脳細胞を使っていたため、因果関係は不明だが、副反応にしてあげた方が、医療費が助成されることもあり、厚労省の検討委員会で副反応と結論づけた経緯があった)、積極的勧奨接種が差し控えられ、接種率が激減する事態になりました。
その後製造方法の異なるワクチンが開発され、2009年から使用が始まり、2010年からは積極的勧奨が再開となりました。その間熊本で3歳児が日本脳炎に罹患し、当院では接種するように勧めていました。ところが一般には、未だに副反応が怖いワクチンとしてのイメージが続いているため、接種し忘れている、あるいは意図的に接種していないお子さんがいます。特に1995年~2006年度に生まれた拭w)ヒは摂取率が低いため、厚労省から、不足分の接種をするように指導されています。
一般的に、日本脳炎は過去の病気で、もう罹る人はいないと誤解されていることとワクチンへのイメージが悪いために、接種率が低くなっています。
ところが、今年9月に、千葉県で25年ぶりに日本脳炎患者が確認されました。患者は0歳男児で、幸い生命に別状はありませんでしたが入院加療中です。感染経路を調査したが、わからなかったようです。
日本脳炎ウィルスは、ヒトとブタに感染します。コガタアカイエカが媒介になりますが、関東のブタにも抗体を多く持っています。ワクチン接種しましょう。 クリニックニュースにご意見ご希望があればスタッフまでお願いします。