紆余曲折を経て、私が本当に欲しかったものは、
恋人ではなかったことに気づきました。
大学生になったばかりのころは、
せっかくだし恋愛も楽しもう、と思っていました。
そして、同じ授業を取っていた人にアプローチされ、
正直まだ好きではなかったけれど、
軽い気持ちで付き合ってみることにしました。
しかし、私と彼は別々のサークルに所属しており、
大学祭の準備でそれぞれ忙しかったため、
なかなか会うことができませんでした。
それでも、毎日LINEのやり取りはしていたし、
週に数回は電話もしていました。
私は、LINEのやり取りや電話が苦手です。
一応人並みにはできますが、相手の表情が見えない分、
気を遣いすぎてしまい、とても疲れてしまうのです。
彼にもそのことを伝えたのですが、
結局何も変わりませんでした。
それに、彼はあまり努力家ではありませんでした。
まあ本当のところは知りませんが、電話で彼が話す内容は、
授業が難しい、ノー勉でテストを受けた、
授業に遅刻した、授業に出ていない、などの
つまらないことばかりでした。
そんなことを聞いても、私にとっては何の価値もないというか、
ただダメな人なんだな、という印象にしかなりませんでした。
結局、付き合って1カ月ほどで、
このことが決め手となり、私からお別れさせてもらいました。
やっぱり、実際に会わないと、その人のことはわからないと思います。
会って、その人のいいところに気づいて、
自分もそれに触発される、みたいな
そういう関係を、私は築きたかったのです。
でも、だとしたらそれは恋人である必要はありません。
友達や仲間と、そういう関係性になれば十分なのです。
私の友達は、熱心に勉強にもサークルにも取り組んでいる人ばかりで、
それを見ていると、私も頑張ろう、と心から思えます。
私の友達は、マナーや礼儀もしっかりしている人ばかりで、
それを見ていると、私もしっかりしよう、と心から思えます。
詰まるところ、私はもう、そういう関係の人がいたのです。
だから、別に恋人が欲しいとは思わなくなりました。
私は十分素敵な友達に巡り合えていて、
会ってご飯に行ったり散歩したりできているので、
余計なものはいらない、という感じです。
もうすぐ彼女ができそうな友達に、昨日言われたことだけが、
少し引っ掛かっています。
「冬になって、雪が降ったら、
余程のことがない限り、人は会わなくなるよ」
彼の言う"余程のこと"は、きっと彼の両片思いの相手で、
つまり、恋人という特別な関係性の人以外とは、
理由がないと会えなくなる、ということでしょう。
理由もなく会えるような関係って、友達では足りないのでしょうか。
冬を迎えるのが、少し不安になりました。