病気というものを通して
その人の人生が見えてくることがあります。


私が今までみてきたガン患者さんで
ちょっと辛いな、と思う家族がいました。


40代の男性ですが
肝臓ガンの末期といわれ、すでに骨に転移していました。

医師からは「余命2ヶ月」と言われていると
30代の奥さんは言いました。

彼は痛みのコントロールに苦しんでいました。
そんな時、紹介されて温熱に来られました。

上手い具合に温熱1回で体の痛みが取れたのです。

彼は大喜びで週1回、温熱に通って来られましたが
余命の2ヶ月が過ぎても元気なので病院で検査すると

骨に転移していたガンが消えていることが分かりました。

すっかり喜んだ彼は
表情も明るくなり生きる希望が湧いてきたようです。

ところが
奥さんから温熱予約のキャンセルの電話がありました。

理由は、「どうしても抜けられない用事」とのことでした。

しばらくして
ご本人が温熱予約の電話をしてきましたので
予約を受けましたが

また、奥さんがキャンセルの電話をしてくるのです。

こんなことが続き、とうとう彼は温熱に来なくなりました。
彼はその後、入院して亡くなったという話を聞きました。

ずいぶん経ってから知ったのですが

奥さんには新しい恋人がいて
もうすぐ彼は亡くなるだろうから

その後は新しい恋人と結婚する予定だったそうです。

骨に転移したガンが消えたことから
奥さんはダンナがひょっとして治るのではないか、と
心配になってきたようです。

そこで彼には
骨のガンが消えたから
後は抗がん剤で残りのガンをやっつけようという

病院の先生の指示に従うようにと勧めたそうです。

私は複雑な心境でした。

いくら奥さんが勧めても、選ぶのは本人です。

しかし、ご本人に知識がなければ
どうすれば良いのか分からないと思います。

奥さんとの話し合いで
どんないきさつがあったのかは分かりません。

彼が亡くなってほどなくして
奥さんは恋人と結婚式を挙げたそうです。



闘病には家族の協力が必要になってきます。

自分が病気になった時、
親身になって支えてくれる人がいるかどうかで
命が左右される、とは大げさですが

少なくとも、協力が得られたほうが
早く治るような気がしますね。

自分がパートナーを大切にしているか
心から愛しているか
ちょっと考えてみるのも必要かな・・・なんちゃって(^-^)/


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なんてったって 愛ですよ。