恋人との電話中に会話の雲行きが怪しくなり
少し険悪になりそうになった時

私が恋人にいじがわるい的なことを言うと「そんなことを周りの人に言われたことがないです。」と恋人がいう。


確かに。


恋人は人間関係が巧みで気配りができる人なので、周りで嫌な思いをした人など殆どいないであろう。


一方売り言葉に買い言葉で
私も言い返す。


(貴女は私のことを俺様で面倒くさい人間だと思っているだろうけれども)

「それだったら私だって周囲には親切な人間だと思われていますぅ〜」


このふざけた会話はすぐに終わり

和やかになるのだけれども


あとで「ああ、これが「家族」なのだなぁ」と思う。


決して家族以外にみせない自分の内面の歪みや片寄を隠さぬ本音のやりとり。


私の性格の面倒くささは、幼稚園の時から自覚があったセクマイ性が深く関係しているのは確かだけれども、ただもし今「男性も好きです」ってセクシャリティが変わったとしても、もう私の人格は形成してしまっているから変わらないと思うのよね〜などとくだらない話をしながら二人で笑う。


夕方の陽が恋人の席にあたり
馴染みの店員さんがカーテンを閉めましょうかと聞いてきたのを恋人は断り

「アマテラス様って良いわよね。」と笑っている。

やがて青の時間になり

テラス席にランプが灯り

夜が来る。


メインを食べるのに時間をかけてる恋人を眺めながら、多分鴨が低温調理で生っぽく感じるせいできっと苦戦しているのだろうなぁ〜ラム肉した方が良かったかなとか思ったりしながら

昔はこのお店でワインをたくさん飲んだことを思い出す。

隣の席の女性のグラスに注がれる赤ワインの色が美しい。
この色のワインはきっと美味しいに違いない。


でもここの店員さんは、今は私たちにお酒を一切勧めてこない。

あえてそのことを彼と話したことなどないのに
私達が以前のようにお酒を飲まなくなったことに気がついていてそれをきちんと覚えているから。


だから、ここはいつも居心地が良い。



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恋人の猫ちゃんの具合が悪かったGWだった。

遊びの予定はキャンセルして恋人の必死の徹夜の看病の甲斐あって、だいぶ具合は良くなった。


ペットって不思議だ。


無条件な愛情をもって無垢な目でずっと飼い主を眺めている愛おしい存在。


すごくすごく大事な、存在。